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Letters From SPARX ~2021年5月 月報まとめ~

こんにちは!スパークス・アセット・マネジメント、公式note運営チームです。

スパークスでは各投資信託(ファンド)の動き、今後の方針等を説明するレポートを毎月出しております。(月次レポート)

今月も各ファンドの内容について概要をまとめてみましたので、興味のある内容について、ぜひリンク先でご覧になってみてください。

【日本株式長期厳選投資戦略】 

スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資) 

今回は組入上位銘柄であるソフトバンクグループの株価下落をうけ、孫正義氏への評価やソフトバンク・ビジョン・ファンド事業について、同社へのマスコミのイメージと、当ファンドの見解が異なることについてご説明しています。 

ソフトバンクグループは、これまでのところ当ファンドの運用成績に対して貢献していますが、同社に対するマスコミのイメージと当ファンドの見解が異なることも多い企業です。例えば、創業者かつ会長である孫正義氏に対する評価は賛否両論ありますが、当ファンドは同氏の過去40年間の起業家としての実績を鑑み、一貫して好意的な評価をしています。 

(中略)つい最近では、ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業の苦戦による1兆円を超える赤字ニュースがクローズアップされました。しかし、これも「損益計算書上の数字だけを根拠にした不当な評価」であったと考えます。投資会社としての同社の本源的価値は、保有資産価値の増減分だけが反映される単年度損益でなく、あくまでバランスシート上にある保有資産の価値全体(時価純資産)でみるべきです。

 
こちらのファンドも同じ内容を取り上げております。(日本株コメント) 
スパークス・新・国際優良日本アジア株ファンド(愛称:日本アジア厳選投資)↓ 


【アジア株式投資戦略】

スパークス・新・国際優良アジア株ファンド(愛称:アジア厳選投資) 

当ファンドでは、当月パフォーマンスに貢献した中国のスポーツウェアブランド「Li Ning」と、アジア地域のコロナ禍後の見通しについてコメントしています。 

新疆ウイグル自治区の綿問題により、中国では「H&M」「Nike」「Adidas」などの外国ブランドに対するボイコットが広がり、中国の消費者は「Li Ning」や「Anta」などの国内スポーツブランドを支持するようになりました。過去の似たような事例から考えると、外国ブランドに対する嫌悪感は一時的なものにすぎないと思われます。しかし、これは多くの消費者にとって、中国の国内ブランドを初めて試してみる良い機会となります。中国の国内ブランドの興隆は長期トレンドであり、新疆ウイグル自治区の綿問題が消費者の認識を高め、このプロセスを加速化させると当ファンドは考えています。 
(中略)中国は当月、中国国内の労働力が今後10年間で減少する模様であるとの最新の国勢調査の結果を発表しました。これによって中国の長期的な生産性が低下する可能性があります。したがって、この問題に対処するため、自動化やデジタル化などの分野でさらにイノベーションや需要が生まれると考えられます。 
ASEAN諸国とインドについては、安価な労働力が利用できることから、同地域に工場を設立する企業が増えるでしょう。米中両国の貿易関係を踏まえると、サプライチェーンにおける中国離れもASEAN諸国とインドへの生産能力の移行を後押しする力となるでしょう。当ファンドはこうした動向や、そこから恩恵を受ける企業を注視してまいります。 

 

【韓国株式投資戦略】 

スパークス・韓国株ファンド(愛称:韓国厳選投資) 

当月は、当ファンド組入上位銘柄のガスボイラー・温水器製造の「Kyung Dong Navien」と、米韓首脳会談について当ファンドの考え方を交えながら取り上げています。 

「Kyung Dong Navien」について 
米国市場と中国市場は同社の将来的な成長の原動力となるでしょう。2002年の米国進出以来、同社はコンデンシング給湯器とコンデンシングガスボイラーを通じて競争力を高めています。同社製品は競合他社製品より高価格ですが、優れたコンデンシングテクノロジー(熱効率 99%)のおかげで、その地位は盤石であり、米国政府が大気汚染緩和に向けた行動計画と政策を掲げていることを踏まえると、コンデンシングボイラーの利用は一貫して増加し、同様に中国でも政府が大気汚染問題に取り組む姿勢を見せていることから、コンデンシングボイラーの需要が急拡大すると、当ファンドは考えています。
(中略)結局のところ、米国は戦略をサポートしてくれる同盟国ともっと密接に協力する必要があるのです。韓国は、現地生産工場の増加、雇用創出、不足している製品の供給など、米国のニーズを満たすことができる数少ない国の一つです。したがって、韓国の製造業の競争力に注目が集まっている現状を、当ファンドは前向きに捉えています。 


 【日本株式サステナブル投資戦略】 

スパークス・ジャパン・オープン

 当月は組み入れ銘柄「サワイグループホールディングス」との対話事例を取り上げ、当ファンドが企業との対話の際に大切にしている「傾聴」についてご紹介しています。 
 

当ファンドは、サワイグループホールディングスの IR 担当者とミーティングの場を持ち、この点について確認しました。真意に迫るために、心掛けたのは「傾聴」です。 
まず経営姿勢に対して理解を示し、その上でメッセージの意図を把握するのが難しいという点について指摘をして、説明を求めました。 

説明を通じて見えてきたのは、同社が感じている「業界のリーダーとしての責任感」です。
同業他社の不祥事を受けて同社に対して引き合いが増加していることは、一企業としてはシェア拡大の機会です。一方、ジェネリック薬業界のリーダーとして現在の状況を見ると、業界が社会からの信頼を損ねてしまったという危機感につながります。同社は同業他社の不祥事について、自社も責任の一端を担っているという立場から、見通しについての楽観的なメッセージを控えているようでした。  
この対話を通じて、当ファンドは以下の三つの点について理解し、サワイグループホールディングスの発展に対して確信度を深めました。(後略) 

こちらのファンドも同じ内容を取り上げております。 
スパークス・アクティブ・ジャパン↓ 


【日本株式中小型投資戦略】 

スパークス・M&S・ジャパン・ファンド(愛称:華咲く中小型) 

  
当月は、コロナ禍一巡後におけるSaaS・EC関連企業についてコメントしています。 
 

昨年は感染拡大から主要都市でロックダウンや行動制限が行われ、巣ごもり消費やリモートワークといった新たな行動様式が急速に社会に浸透しました。
コロナ禍の収束が見通せない状況で、上記のような需要を取り込んだ企業は業績が急成長し、株式市場からの高い期待も相まって株価を大幅に上昇させました。しかしワクチン接種の進展などから「特需」が一巡し、業績成長率の鈍化が見えはじめた結果、過去の高い期待値の反動もあり株価が大幅な調整局面を迎えていると考えられます。 
当ファンドは、投資先企業の顧客との関係性の変化に注目することで、需要の継続性や将来の業績拡大に対する可能性を見極めようと考えています。ロックダウンによる社会活動の抑制は急速に進みました。そのような状況下では十分な比較検討を行えず、緊急措置的に利用サービスが選択された可能性が高いといえます。


スパークス・ジャパン・スモール・キャップ・ファンド(愛称:ライジング・サン) 


当月は、今後の運用方針と共に、年初から当ファンドで組入比率を引き上げている「アウトソーシング」についてご紹介しています。 

同社は、本業の国内製造業請負派遣から国内技術者派遣、国内サービス業派遣など事業領域を広げた総合アウトソーシング企業です。ここ数年海外M&A(企業合併・買収)を積極的に行い、海外アウトソーシング事業の強化を図っています。その結果同社の人材提供数や管理数は全世界で10万人を超える規模まで拡大しています。 
(中略)中期的には国内アウトソーシング業界でのシェア拡大に加え、海外アウトソーシング事業の規模拡大に伴う収益性の改善により、業界平均を大きく超える成長率が期待できます。海外M&Aによる多額の暖簾(のれん)がリスク要因ですが、コロナ禍での減損も限定的であり、過度な懸念は不要と考え、コロナ禍収束後の同社の高い成長性を評価し組入率を引き上げております。 


スパークス・少数精鋭・日本株ファンド 

 当月は、当ファンドが市場全体の動きと比べて苦戦した理由として、当月の市場全体をけん引したのが「バリュー株」であったこと、投資先企業の決算と業績予想が市場の期待に届かなかった2点をあげ、解説しています。 
 

バリュー株に分類される株の特徴である「見た目の株価指標が割安に見える」ことは、必ずしも株価が割安であるという理由にはなりません。
伝統的なバリュー株に分類されやすい鉄鋼、非鉄金属、銀行業などの金融業界の多くの企業は長期的な成長力が低い、もしくは構造的に利益が出しにくい経営環境となっており、「逆張り的アプローチ」を取る当ファンドでも投資対象になりにくいと判断しています。
「バリュー」や「グロース」などは投資の本質を示していないと考えています。株価指標より重要なのは企業価値の裏付となる収益です。収益との比較において株価の割高・割安は考えられるべきで、株式投資においては「バリュー」と「グロース」の要素は同時に混在して考えられるべきだと思います。 

(中略)このような短期的な株価の変動は、長期的な投資パフォーマンスには本質的には影響しません。強い業績予想を出しても、結果の数字が予想を下回ればプラスに反応した株価は最後にはマイナスに反応し、弱い業績予想を出しても、最後に結果が上回れば株価はプラスに反応し長期的には業績に収斂していくからです。(実際には、企業業績の癖を市場参加者が「学習」することで、「強気の会社」「弱気の会社」に対する市場参加者の期待値そのものが修正されるため、現実の動きはもう少し複雑になります。) 


スパークス・プレミアム・日本超小型株式ファンド(愛称:価値発掘) 

 当月のプラス貢献銘柄とマイナス影響銘柄、今後の運用方針についてコメントしています。 

相対的な日本経済の回復の遅れが懸念され、外国人投資家が 5 月は売越しに転じ、相場の頭を押さえております。しかしながら、これだけの悪材料の中でも日本株式市場は底堅く推移しています。潜在的な業績回復期待や国内資金が潤沢であることの現れであり、悲観する必要はないと考えます。  
投資戦略としましては、短期的なリスクはありますが引き続きコロナ禍の悪影響から脱して大きく業績回復が期待される銘柄への投資を高めてまいります。また、インターネットとリアルサービスの複合的なサービスを行う企業の優位性が顕在化してきたと考えており、今後新しいサービス展開で成長性が高まる企業にも注目してまいります。


 

【日本株式ロング・ショート戦略】 

スパークス・日本株・ロング・ショート・ファンド(愛称:ベスト・アルファ) 

  
当月は、当ファンド組入上位銘柄の「SMC」のほか、ショート投資銘柄についてコメントしています。 
 

SMCは、製造現場の自動化に貢献する空気圧機器を製造販売する企業です。圧倒的な製品アイテム数と世界各国での短納期対応力で事業規模を拡大し、世界トップシェアを伸ばし続けている企業です。(中略)当ファンドでは、先日社長を含む同社の新経営陣と対話する機会をいただきましたが、シェア拡大につながる事業展開の新たな取り組みとその手ごたえ、配当や自社株買いなど資本効率に関する考え方の変化など、実りある対話を交わすことが出来ました。新経営体制のもとで事業面、経営面とも大きな変化が出てきたことで、同社が培ってきたこれまでの強みを基にさらに大きく飛躍するステージに入ったと、当ファンドは考えています。 

ショート投資では、eコマース(電子商取引)のプラットフォームサービスを提供する企業A社に新たにショート投資しました。(中略)eコマース市場の成長は続くものの、テレビコマーシャルなど直接的効果が期待できない広告費用が収益を押し下げること、コロナ禍収束後に人々の活動が活発化することで成長率がさらに低下する可能性が高いと考えると、A社の現在の株価評価は将来の企業価値を織り込んだ割高な水準と考えています。 

 
こちらのファンドも同じ内容を取り上げております。 
スパークス・日本株・L&S↓ 

 

【日本株式価値創造・対話型戦略】 

スパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンド(愛称:対話の力) 

 当月は、「防災関連機器製造・販売会社のA社」についての投資見解及び対話内容を紹介しています。 
 

当ファンドでは、A社の市場評価(株価)と内在価値には大きな「バリューギャップ」が存在すると考えています。A社は、売上高に対して過大な純現金資産を有しているほか、コア事業との明確なシナジーが期待できない政策保有株を保有しており、しかもその政策保有株は、特定の一社の株式が大半を占めています。
結果的にA社のバランスシートの約3分の2が現金や政策保有株などの金融資産(非事業資産)で占められています。A社事業は15%前後の営業利益率を誇る収益性の高い事業ですが、一方で金融資産から一般的に期待できるリターンは、その水準をはるかに下回ります。当ファンドでは、A社がより積極的な事業投資に資金を活用し、非事業資産の規模を適正化していくことが、A社の長期的な企業価値向上に資するという趣旨で、従前より対話を行っています。明確なシナジーのない他社株へ投じられている資金を自社株買いに活用することも同社の割安な株価水準を踏まえれば、充分理にかなった施策であると考え、当ファンドではA社経営陣と対話しています。 

 
 
以上、2021年5月の月次レポートをまとめてみました。どれも盛りだくさんの内容となっておりますので、是非リンクの各投資信託のページへ飛んでいただき、全文をご覧ください! 

 
※こちらは2021年5月末のマンスリーレポートをもとに再編集しております。内容はチームメンバーの見解を元に書いているため、スパークス全体の見解とは異なることがありますのでご了承ください。また、記事にある企業名等の内容は参考情報であり、特定の有価証券等の取引を勧誘してはいない点もご理解いただけますよう、お願いいたします。 

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