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Letters From SPARX ~2022年10月 月報まとめ~

こんにちは!スパークス・アセット・マネジメント、公式note運営チームです。
当月は投資先企業のご紹介のほか、中国に関する記述が多くみられ、習近平氏が政権3期目になったことによる影響や、米国の中国半導体業界への規制についてなど記されています。ぜひ興味のある内容について、リンク先でご覧になってみてください。

■中国での事業成長機会について ― スパークス・M&S・ジャパン・ファンド(愛称:華咲く中小型)

前月の大きなイベントとして、中国共産党大会を経て習近平氏が中央委員として選出され、異例の政権3期目を確実なものとしたことが挙げられます。慣例として通常2期10年までとし、党大会時に68歳以上は退任する年齢制限が破られたこと、また人事面においても自らに近い人物を側近に据えたことなどから、習氏への権力集中が進んだとの見方が強まっています。この結果、社会主義への一段の傾斜から経済運営に対する先行きを不安視する動きが強まり、上海や香港株式市場は海外投資家による売り圧力から大きく下落しています。各種報道でも概ね受け止め方はネガティブで、中国経済に対する見方は明るいとは言えません。加えて発表された直近(2022年7-9月期)GDPは前年同期比3.9%増と、政府が見込む5%台の潜在成長率を下回っています。足もとでも不動産市場の低迷や世界景気減速に伴う外需低迷など、短期的な経済の下押し圧力が高まっているほか、ゼロコロナ方針の緩和がなされなかったことで景気回復への懸念が残るという見方も理解できます。
では中国での事業成長機会はもう期待できないのかといえば、当ファンドはそうではないと考えています。確かに過去20年で達成した成長を再現し続けることは難しいでしょうが、中国共産党の意向に従った景気回復や成長を目指す限りにおいて、恩恵を受ける企業は存在すると考えられます。例として、「共同富裕」の下で増加が見込まれる中間所得層の消費需要や、「新型挙国体制」の下で進展する科学技術などが挙げられます。特に科学技術の分野においては、依然として日本と中国との技術力格差は大きく、日本企業にとっての成長市場であることに変わりはないと当ファンドでは考えています。
日々の企業取材の中でも、製造業各社は中国拠点を中国国内向けの製造販売拠点として位置づけており、ローカルブランドとして確立できている企業もあります。中国での地産地消に応えるニーズであれば、当面は技術流出などのリスクよりも機会のほうが大きいと考えます。これは、中国が向かう方向に対し柔軟に事業運営を転換している、という点でも注目できる変化だと考えています。また、それとは反対に、生産拠点を東南アジアやインドへ移行したり、日本国内に生産を回帰させたりする動きも同時に進行しつつあります。この世界的なサプライチェーンの見直しも今後加速していくことが想定されるため、当ファンドでは、業界ごと、企業ごとの変化を細かに追うことで事業機会が発掘できるものと考えています。引き続きボトムアップアプローチを通じ、環境変化を事業機会として捉えられる企業への選別投資を行ってまいります。

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■中国の見方について ― スパークス・新・国際優良アジア株ファンド(愛称:アジア厳選投資)

中国については、多くの外国人投資家の懸念によりバリュエーションが大幅に見直されたため、当ファンドでは慎重な姿勢を保ちながらも楽観視しています。バリュエーションは過去の推移からすると割安な水準で、長期保有の組み入れに適した状態にあると考えます。当ファンドは引き続き、リターンがリスクを上回り、安全マージンが高い投資機会を模索しています。China State Construction International(中国/資本財)、NWS Holdings(中国/資本財)などのインフラ関連の保有銘柄とAIA Group Ltd(香港/保険)、Yum China Holdings(中国/消費者サービス)といったコロナ禍後の経済再開の恩恵を受けると考えられる保有銘柄などは、長期的かつ安定的に追い風が吹く優良銘柄の一例です。
当ファンドはアジア市場全体にリスクを分散しており、リターンを中国だけに依存しているわけではありません。当ファンドは引き続き、インド、ASEAN諸国、台湾、韓国に有望な投資機会があるとみています。アジア経済の興隆とアジア企業の地位向上という長期的な投資テーマは健在で、今後も続くと考えられます。当ファンドは、「信頼できる企業」への投資を継続しつつ、当ファンドが選好する「次の優良成長企業になる潜在性を示しているアジア地域の新興企業」の発掘に努めます。

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■米国政府による中国半導体業界規制の影響 ― スパークス・新・国際優良日本アジア株ファンド(愛称:日本アジア厳選投資)

当月初旬、米国政府が中国の半導体業界に対する規制を強化しました。新規制の下では、メモリ生産に使用する半導体装置の導入にあたり新規ライセンスが必要になります。その対象となるのは、例えばノードが18nm以下のDRAMや128層以上のNANDの製造に使用する機器です。したがって、今回の規制は中国最大のNANDフラッシュメモリメーカーであるYMTC社(中国)に深刻な影響を及ぼすでしょう。YMTC社は8月に232層のNAND製品を発表しています。Apple社(米国)が中国で販売するiPhone向けに、YMTC社製NANDフラッシュ製品の使用を検討する可能性があるという報道も出ていました。米国の先進機器がなければ、YMTC社が新製品の発売を続けることはほぼ不可能と考えられます。新規制の発表を受け、Apple社はYMTC社製NANDフラッシュの使用計画を凍結しました。
さらに、ライセンス要件は米国国民にまで拡大されました。米国籍を保有していると、中国の特定の先端半導体メーカーにサービスを提供できなくなる可能性があります。中国国内の半導体エンジニアの多くは米国籍を保有しているため、新規制により現在の勤務先で働けなくなる可能性、あるいは特定のクライアントにサービスを提供できなくなる可能性があります。YMTC社は、米国籍を保有する一部の上級職者を解雇したと伝えられています。こうした重要な人材が失われれば、中国半導体業界の発展に対する大きな障害となるでしょう。
当ファンドでは、米中のテクノロジーを巡る地政学的緊張の高まりは、韓国企業にとってはプラスになると考えています。中国はこれまで、韓国産業界の脅威となり続けてきました。半導体、ディスプレイパネル、バッテリーといった業界で韓国が日本に取って代わったのと同じように、中国は安価な労働力とテクノロジーの進展を武器に、一部業界で韓国に取って代わる可能性があります。CXMT社(中国、中国最大のDRAM企業)とYMTC社はこれまで、いずれもSamsung Electronics(韓国/半導体・半導体製造装置 )、SK Hynix社(韓国)といった韓国大手メモリ企業にとって最大の脅威とされていました。しかし新規制によって、中国企業の両社は当面の間、競争力を失うと思われます。
こうした中で当ファンドは直近、Samsung Electronics(韓国/半導体・半導体製造装置 、以後「Samsung」)を組み入れました。当ファンドは、ファンダメンタルズが健全で、潤沢なキャッシュフロー創出力と的確な資本配分ができる優秀な経営陣を擁し、バリュエーションが割安な企業に投資するというアプローチを採用しています。Samsungは2021年から2022年年初来の調整を経てこの基準を満たし、割安な水準になったと考えています。

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■東アジアの地政学リスクについて ― スパークス・ジャパン・オープン(愛称:キョウソウの架け橋)

調査活動においては世のなかの大きな潮流を念頭に、過去の調査の蓄積と日々の活動からえられる「気付き」を掛け合わせることで投資仮説を生みだし、個別企業の調査を繰り返すことで投資アイデアに結びつけます。
具体的には東アジアの地政学リスクについての調査を進めます。特に地理的・歴史的に関係の深い中国と台湾の情勢を注視しています。中国政府が台湾に関連して「武力行使を放棄しない」という趣旨のメッセージを発信し始めていることから、リスクとして紛争の発生を意識する必要が出てきたと考えます。最善のシナリオは平和が続くことですが、有事の際に向けて心の備えをしておく必要性を感じています。
台湾での紛争が起きた場合、日本経済に対して大きな影響となる可能性が高いのは半導体サプライチェーンの混乱です。また状況次第では中国との経済活動が制限されることになるかもしれません。中国は日本にとって輸出入ともにおよそ2割を占める最大の貿易相手国であるため、その場合は経済全体に大きな影響を及ぼす可能性があります。
一方で東アジアにおいて相対的に安全な場所にある日本については、地域におけるハブとして見直される可能性があります。また平和を求める人の移住が増える可能性もあります。
なお、国別のSDGsの達成状況を4段階評価した「Sustainable Development Report 2022」において「平和と公正をすべての人に」というSDGsの16番の項目で最高評価となっているのは調査対象国の中で日本とアイスランドのみであり、平和という観点で日本が世界的に優れていることが確認できます。地政学的な緊張感が高まる中では、国が平和で公正あることは重要な資源であると言えるでしょう

※そのほか、今月は日本の人口動態を踏まえ、「人材」に関する企業経営と投資について詳しくご紹介しています。

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こちらのファンドも同じ内容を取り上げております。
スパークス・アクティブ・ジャパン(愛称:キョウソウのバトン)↓
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■韓国のIT業界・スタートアップ業界の現地の状況 ― スパークス・韓国株ファンド(愛称:韓国厳選投資)

2020年、「スタートアップ:夢の扉」という韓国ドラマがNetflixで配信され、韓国のみならず日本でも人気になりました。インターネットビジネスで成功することを夢見た若者を描いた、韓国版シリコンバレーを舞台にしたドラマです。韓国にも多くのインターネット企業が集まる地域があります。それが、京畿道(キョンギド)の板橋(パンギョ)です。韓国一の商業エリアである江南(カンナム)から地下鉄で約15分、南に下った場所に位置します。ドラマの舞台となった場所とは実際には少し異なる場所なのですが、たくさんのインターネット企業が集まるパンギョ・テクノバレーというITの研究開発団地があります。LINEで有名なNAVAR Corporation(メディア・娯楽)、ITコングロマリットのKakao社、オンラインゲームのNC Soft社やNEXON社など日本でもおなじみのインターネット企業が集結し、約1,300社(2020年時点)の企業が活動しています。
撮影:スパークス・アセット・マネジメント・コリア
パンギョの開発は、ソウル市郊外にベッドタウンを造る目的で、2000年代前半から交通インフラや住宅の整備が始まりました。当時、ソウル中心地では不動産マーケットが過熱し始め、郊外にニュータウンが必要になったことがきっかけです。その後、2004年、当時の京畿道知事、孫鶴圭氏により、パンギョ・テクノバレーの開発が承認されました。現在、2021年からはじまった第3エリアの開発が進行しており、2024年に完成する予定です。第3エリアでは、データ、ネットワーク、人工知能に関わる産業育成と安定的な住宅供給がテーマとして掲げられています。
魅力的なエリアができると、成長企業が集まり、そこに優秀な人材が集います。結果として、その地域のライフスタイルが変わっていきます。パンギョも米国シリコンバレーのパロアルトのように、現在では生活水準の非常に高いエリアになっています。こうした地域に集まる人材は、旧来のエンジニア層とは異なります。都会のおしゃれなエリアで仕事をしてプライベート充実させたい、というライフスタイルです。そのため、これまで技術開発のR&D拠点を全国各地に点在させていた財閥系企業も、最近では、優秀なエンジニアを獲得するために、京畿道のパンギョ近郊エリアにR&D拠点を集約し始めています。財閥系企業といえども、スタートアップ企業との人材獲得競争に負けてしまうからです。
2022年5月に誕生した新政権は、早速、パンギョでのシリコンバレー的なエコシステムの流れを後押しするため、さらなる投資税制優遇を拡充していく予定であることを発表しています。ビジネスのスケールこそ米国のシリコンバレーには及びませんが、アジア地域で活躍できるインターネット関連の成長企業が韓国でも生まれています。

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■年末に向けて回復を期待する中小型株 ― スパークス・プレミアム・日本超小型株式ファンド(愛称:価値発掘)

欧米の景気後退懸念が高まってまいりましたが、エネルギー、市況価格が落ち着いてきたことから、円安を除けばコストアップ要因が低下しつつあると考えます。また、経済活動がコロナ禍から正常化することによる個人消費、インバウンド消費などの回復余地が大きいことなどから、9月中間決算ではあまり全体での傾向は見られないものの、今後は改善傾向が明確となり、株式市場の追い風になるのではないかと考えます。中小型株は、当月は前月の反動で厳しいパフォーマンスでしたが、年末に向けては来期への期待から改善傾向に向かうと考えます。運用方針としましては、引き続き大きく下落した銘柄の中から、成長余地が高く割高感の低い銘柄の投資を進めてまいります。また、海外経済の悪影響やインフレ要因を上回り、日本経済の正常化の恩恵を受け成長できる企業への投資を引き続き拡大させてまいります。

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■投資先企業紹介

日用品企業「ロート製薬、花王、ユニ・チャーム」 ― スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)

当月は当ファンドで保有している日用品3社(ロート製薬、花王、ユニ・チャーム)の近況についてご説明します。これら3社は当ファンドで 2008年頃から投資を行っています。消費財・日用品企業の特徴は、本来景気に左右されにくい安定したビジネスである点です。当ファンドが着目している市販目薬、スキンケア化粧品、紙おむつ、その他家庭用品などは比較的安価な商品であるうえ、生活必需品に近いため、不景気時においてもそれほど需要は落ち込まないと考えられます。とりわけ日本発の高品質、高付加価値を武器に、各社ともグローバル市場で着実に成長を続けられることが期待されます。
(中略)最後に、事業が一部重複しているロート製薬、花王、ユニ・チャームの3社について、長期的には当ファンドはそれぞれの企業に対して異なる投資魅力があると考えております。ロート製薬は規模が他の2社に比べて小さく、小回りのきく経営が可能です。ニッチな分野で新商品を発売することで業績を伸ばすことが比較的容易であると考えられます。また現時点で評価は難しいですが、再生医療事業も楽しみな分野です。原料コスト面も石油化学品を使用する割合が低いことから、相対的に影響が少ないのが特徴です。
花王に期待されるのは、同社が持つ幅広い日用品ラインアップのアジア全地域での展開が本格化していくことです。足元の業績こそ低迷していますが、同社の製品群は家庭用清掃品、衣料用洗剤、化粧品など多岐にわたっており、得意とする高付加価値を武器に長期的にはアジアでシェアを伸ばしていくことを期待しています。
一方、ユニ・チャームは大人用オムツ、生理用品、ペット用トイレシートなど吸収体をベースとしたパーソナルケア製品に強みを持っています。専業プレーヤーとして花王に比べ世界展開が進んでおり、東南アジアだけでなく、インドや中東、北中南米などにも広がりをみせているのが特徴です。
3社とも数十年にわたり有能な経営陣によって経営されていると当ファンドでは考えます。過去10年、20年間における各社の一株当たり利益成長率は、それぞれロート製薬が年率10.2%と11.4%、花王が同10.2%と4.4%、ユニ・チャームは同7.4%と10.8%です。長期の安定した売上成長に加え、花王の場合は継続的な自社株買いが成長の下支えとなっています。さらに直近期におけるROE(株主資本利益率)はロート製薬が12.6%、花王が11.6%、ユニ・チャームが13.8%と日本企業平均を上回る水準です。

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エレクトロニクス・産業用セラミック部品メーカー「MARUWA」 ― スパークス・ジャパン・スモール・キャップ・ファンド(愛称:ライジング・サン)

当月は、当ファンドの上位保有銘柄である「MARUWA」について紹介します。同社は、エレクトロニクス・産業用セラミック部品の開発製造販売や照明事業を行っています。収益性の高いセラミック部品の前期の用途別構成比率は、情報通信49%、車載21%、半導体16%、産業機器15%となっています。同社の強みは強度と放熱性の高いセラミック製品を開発製造できる技術力にあります。この技術力が評価され、ここ数年は情報通信・半導体向けセラミック製品が業績を牽引してきました。今後は自動車の電気自動車(EV)シフトの進展を受け、車載用途向けセラミック製品が業績を牽引すると予想されます。要因は①EV化が進むと強度と放熱性の高いセラミック製品の自動車1台当たりの部品点数の拡大が期待できること、②EV駆動用インバータのパワー半導体向けセラミック基盤などではパワー半導体の素材がSi(シリコン)からSiC(炭化ケイ素)に置き換わることによる単価の上昇も期待できることから、結果としてEVの台数以上の車載用セラミック製品の売上高成長が可能になると考えます。
2023年3月期第2四半期決算は、車載用途と半導体用途が大きく伸び前年同期比20.0%増収、33.9%営業増益となり、中間決算としては過去最高益を更新しました。EVの生産は半導体不足が解消される来期から本格的な生産拡大が予想されるため、同社の車載向け製品の売上高は引き続き高成長が見込めます。当ファンドでは同社の中期的な一株当たり純利益(EPS)の成長率を18%と予想しており、電子部品セクター中ではより高い成長が見込めると考えポートフォリオの上位で保有を継続しています。

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特殊黒鉛製品メーカー「東洋炭素」 ― スパークス・少数精鋭・日本株ファンド

東洋炭素は1947年に創業した特殊黒鉛製品の世界的大手メーカーです。世界で初めて大型の等方性黒鉛製品の量産に成功し、現在も世界トップクラスのシェアを維持しています。特殊黒鉛は軽量な一方、耐熱性・耐久性に優れる素材で、高い信頼性を要求される産業を中心に採用が進んでいます。例えば、半導体ウエハーの原料であるシリコンを高温で溶解する炉内の部品に使用されています。当ファンドでは、同社の特殊黒鉛製品がパワーデバイス、半導体業界向けで成長することを期待し投資しています。
2006年に上場した同社ですが、2013年以降には業績低迷期を迎えます。2000年代に中国を中心に世界的に太陽光パネルの増産ブームが発生し、同社の黒鉛製品も大きく成長しましたが、太陽光パネル製造における黒鉛製品に求められるスペックは高いものではなかったため、中国製の低価格黒鉛製品がシェアを上げていきました。また2010年以降になると太陽光パネルの増産ブームが終焉したことから、同社の売上、利益ともに低迷し、株式市場からの注目を集めきれずにいました。
一方、当ファンドでは、同社は事業ポートフォリオの入れ替えを終え、今後は差別化できる分野で成長できると考えています。同社が注力している半導体、パワーデバイス分野では、黒鉛製品に求められる品質基準が格段に上がります。当ファンドの推定では、当該分野で黒鉛製品を提供できるのは東洋炭素を含め世界で3社のみであり、技術的なハードルの高さから今後も上位メーカーの優位性が続くと考えております。需要動向では、パワーデバイスは電気自動車(EV)向けのSiC(シリコンカーバイド)デバイスが世界的に拡大しており、その恩恵を受け続けることが出来ると思われます。半導体市場の変調には注意が必要であるものの、同社の黒鉛製品は定期的に置き換えが必要であり、消耗品に近い製品であることから、半導体の生産が続く限りは業績を牽引することが期待されます。
当ファンドが投資を開始して以降、株価は堅調に推移しておりますが、投資を継続していく予定です。パワーデバイス市場の成長はこれからと思われ、同社の業績をしっかりフォローしてまいります。

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保険代理店業「FPパートナー」 ― スパークス・日本株・ロング・ショート・ファンド(愛称:ベスト・アルファ)

当月は2022年9月に新規上場した当ファンド投資先のFPパートナーにおける投資仮説をご紹介します。同社は「マネードクター」の名称で保険ショップを全国展開する保険代理店で、幅広い保険会社の商品を扱い、顧客の状況やニーズに合わせた提案を行う乗合代理店の一社です。上場時の株価を見ると単なる保険ショップとしての評価に留まっていると判断しましたが、同社社長へのインタビューを含め企業価値を精査すると、付加価値の高い資産形成ビジネスの提供会社として同社を評価することが妥当であると考えました。この認識の違いが当ファンドの投資仮説です。
同社のビジネスモデルには二つの特徴があります。一つは同社の営業員は商品の提案に特化し、新規の顧客開拓は外部リソースを活用している点です。同社は携帯電話事業者など全国区の営業パートナー約100社と提携し、資産形成の相談希望者が送客されています。一括して受けた送客を担当地区の同社営業員に割り当てることで、営業員は自身で顧客開拓を行わず、商品提案・資産相談に専念しています。一般的に保険営業員の離職率は高いと言われていますが、その主な要因の一つに新規顧客を継続的に開拓することが難しいことが挙げられます。そのため、分業体制のメリットは業務の効率化に加えて、優秀な保険営業員を獲得することに一役買っていると考えられます。
もう一つの特徴は面談のプロセスと商品提案です。社名にも由来しますが、同社の面談はファイナンシャルプランナーによるライフプランニングや、資産形成のシミュレーションを基本としています。単なる保険商品の紹介に留まらず、より具体的で説得力のある提案になること、さらには若いファミリー層に対して老後のための継続的な資産運用の必要性を訴求します。そのため単価の高い、すなわち付加価値の高い資産形成型保険商品の販売が他保険代理店より多くなっています。
これらのことから同社は単なる保険ショップの一社ではなく、実態は資産形成ビジネスを全国展開する会社であり、その成長性や収益性の高さは株式市場で十分に評価されていないと考えています。また、保険代理店の数は縮小傾向にあり、大手企業による集約が進んでいます。当ファンドでは、ビジネスモデルに強みのある同社が中小の保険代理店を吸収しながら業界リーダーとして継続的に成長すると考えています。

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こちらのファンドも同じ内容を取り上げております。
スパークス・日本株・L&S↓
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防災関連機器メーカー「帝国繊維」 ― スパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンド(愛称:対話の力)

当月は、当ファンドの投資先である「帝国繊維」について、当ファンドの投資見解と対話内容をご説明致します。
帝国繊維は、消防ホースや防災関連機材、救助工作車、防災特殊車両などの製造・仕入れ・販売を手掛ける企業です。同社は社会情勢の変化に対応する中で、さまざまな防災関連製品を多角的に取り扱う防災の総合企業として発展してきました。同社の前身の一社である日本製麻は、1903年に国産初の麻製の消防ホースを生産した企業です。消防ホースは災害現場という特殊な状況で使用される製品であるため、長年にわたる供給実績に裏付けされた信頼性が参入障壁となり、同社は消防ホースの国内市場で約50%のトップシェアを誇ります。
(中略)今後、日本社会の中で帝国繊維のような防災関連企業が担う役割の重要性は、ますます高まっていくと当ファンドは考えます。自衛隊や省庁だけでなく、同社のような民間企業においても最先端の防災機器について豊富な知見をもつ専門企業が存在すること、そのような企業が全国各地の消防署や自治体をサポートする体制が強化されていくことは、日本社会にとって大きな意義があると考えます。そのような企業の事業価値が株式市場においてマイナスで評価されていることには疑問が残るというのが当ファンドの見解です。同社は来年、次期中計(テイセン2025)の発表を予定しています。この中計において、少なくともROEを8%以上に引き上げるための抜本的な施策を明示することに加え、社会課題への対処に積極的に貢献する企業として、同社が社会にもたらす付加価値について対外的に積極的なメッセージが発信されることを当ファンドは期待しています。当ファンドは引き続き、対話を通じて同社の企業価値向上を後押ししていく方針です。

スパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンド | SPARX Asset Management

   

以上、2022年10月の月次レポートをまとめてみました。どれも盛りだくさんの内容となっておりますので、是非リンクの各投資信託のページへ飛んでいただき、全文をご覧ください!

 

※こちらは2022年10月末のマンスリーレポートをもとに再編集しております。内容はチームメンバーの見解を元に書いているため、スパークス全体の見解とは異なることがありますのでご了承ください。また、記事にある企業名等の内容は参考情報であり、特定の有価証券等の取引を勧誘してはいない点もご理解いただけますよう、お願いいたします。

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