Letters From SPARX ~2022年2月 月報まとめ~
「ロシア」「ウクライナ」に関係する内容の可能性がある記事です。
極端な内容・真偽不明の情報でないかご注意ください。ひとつの情報だけで判断せずに、さまざまな媒体のさまざまな情報とあわせて総合的に判断することをおすすめします。 また、この危機に直面した人々をサポートするために、支援団体へのリンクを以下に設置します。 ※非常時のため、すべての関連記事に注意書きを一時的に表示しています。
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Letters From SPARX ~2022年2月 月報まとめ~

スパークス・アセット・マネジメント

こんにちは!スパークス・アセット・マネジメント、公式note運営チームです。

当月はロシアのウクライナ侵攻による地政学的リスクの高まり、加速するインフレへの懸念など、やはり各ファンド前月と同様に景気の減速に対するコメントが多くみられました。
ウクライナでは悲しいニュースが続いていますが、歴史を振り返ると、悲しみを乗り越えて現在の社会は続いています。株式市場下落の影響は受けますが、弊社のファンドはそのような中でも成長を続けるであろうと考えた企業を厳選し組み入れています。我々の投資哲学や運用方針に変わりはなく、いい企業を安く手に入れられるチャンスとも考え、日々忍耐強く運用を続けて参ります。

■ロシアのウクライナ侵攻やインフレ影響について

スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)

昨年来、当ファンドがTOPIX(東証株価指数)との比較においても大きく劣後していることについては、当ファンドが保有するグロース株がPERの切り下がりで大きく調整するなか、当ファンドでは組入比率の少ないバリュー株が上昇していることで説明ができます。バリュー株には銀行、通信、電力などのように成熟した内需型企業が多く、今後も低成長が続くと想定されます。しかし、低位に留まるPERやPBRに着目した買いが続いたことで短期的に株価上昇した銘柄が多く、結果、当ファンドのパフォーマンスとの乖離が顕著になっているのです。近年経験したことのない相対リターンのマイナスを余儀なくされていますが、当ファンド組入銘柄は参入障壁に裏打ちされた高い利益成長実績を持ち、今後もグローバルで膨大な成長余地が残されていると判断し、自信を持って保有を継続します。当ファンドはこれまで下げ相場局面でリターンの悪化を最小限に留めることで良好な運用成績を残してきましたが、長い運用経験の中では時として今回のような大きな試練もありうるべしとのスタンスです。当ファンドの投資哲学である「魅力的なビジネスと卓越した経営陣を併せ持つ企業を安く買う」に変わりはありません。
最後に、現在はインフレの長期化や金利上昇が株式市場における大きな懸念材料ですが、金融引き締めを通じて、いずれはインフレが沈静化し、金利水準も落ち着いてくると考えます。ただ、その段階に辿り着く前に、1980年代初頭のような高インフレ時代が訪れるかは誰にも分かりません。仮にそのリスクが現実のものとなったとしても、当時のボルカーFRB(連邦準備制度理事会)議長が成功したようにインフレ環境は数年内には正常化すると推察します。なぜなら物価安定は中央銀行の重要使命の一つであるからです。様々なテクノロジーの進歩も長期的にはインフレを抑える役割を果たしていることを忘れてはいけません。しばらく辛抱の時期になるかもしれませんが、金利水準が落ち着きを取り戻せば、当ファンドの保有しているグロース株のバリュエーションも正常化することが予想されます。株式市場は長期では企業の価値を適正に反映するという意味において効率的な市場ですが、短期では予想もつかないような値動きをするものです。株式投資が一般的に難しいと言われるのは、「長期」という時間軸が一般の市場参加者が許容できる範囲を超えてしまっているところにあります。株式投資で成功するために必要なのは忍耐強さであるということ肝に銘じて引き続き日々の運用にあたっていく所存です。

スパークス・新・国際優良日本株ファンド | SPARX Asset Management


スパークス・新・国際優良アジア株ファンド(愛称:アジア厳選投資)

短期的にみると、ロシアとウクライナの紛争に由来する地政学的リスクが市場の動向を左右し、原油価格とコモディティ価格は比較的高水準で推移するでしょう。世界的なサプライチェーンの混乱は、海上封鎖によって悪化する可能性があります。ロシアの銀行システムに対する制裁も、金融システムが不安定化する要因となる恐れがあります。インフレはさらに加速する見込みで、金融政策をより積極的に引き締めインフレを抑制する必要があるかもしれません。
当ファンドはロシアとウクライナの紛争から直接的な影響を受ける銘柄(収益面で影響を受ける銘柄)の組み入れを最小限に抑えています。紛争が長期化すれば、投入コスト(原材料費、物流費など)の高騰によりおそらく間接的な影響を受けることになるでしょう。しかし、組入銘柄の大半は価格決定力が強く、財務体質が健全であることから、この一時的な逆風を凌ぐことができると当ファンドは考えています。
長期的にみると、利益成長、業界の潜在性、経営陣の能力といったファンダメンタル的な要素が、次なる優良銘柄を見極めるための主要指標になると思われます。当ファンドは引き続き、アジアにおける優れた投資機会はテクノロジー、消費、金融、インフラといったセクターにあるとみています。

スパークス・新・国際優良アジア株ファンド | SPARX Asset Management


スパークス・新・国際優良日本アジア株ファンド(愛称:日本アジア厳選投資)

インフレは日本だけでなく、アジア地域においても懸念材料になり得ます。モノの値段が上がるので、企業にとっては材料費などのコスト増が利益圧迫要因となるからです。防衛手段として、それに見合った価格転嫁ができれば収益性を維持することは可能ですが、最もインフレ抵抗力のあるビジネスは以下のような特徴をもっているべきであると考えます。
1)重厚長大な設備や大量の原材料を必要としないアセットライト型である2)人件費上昇や大量な労働力確保がボトルネックとならないような非労働集約的である
3)販売価格を引き上げても需要が減少しないような強い価格決定権を持っている(価格弾力性が低い商材を手掛けている)
当ファンド組入銘柄には、これらの条件に合致するアジア株が既に含まれていると判断しています。
アジア地域ではアセットライト型ビジネスの典型ともいえる中国のインターネットプラットフォーマーのTencent Holdingsが挙げられます。また、インドでほぼ独占的に電力取引市場を運営するIndian Energy Exchangeは、アセットライトかつ非労働集約的な特色を併せ持つ稀有なビジネスです。
インフレに伴う世界的な長期金利の上昇も懸念材料ですが、銀行業や保険会社にとってはポジティブな側面があります。とりわけ当ファンド組入銘柄のインドのHDFC Bank、Kotak Mahindra BankやICICI Lombard General Insuranceなどは、未だ金融産業が発展途上の土地柄においてビジネスの成長余地が大きいため、引き続き魅力的なビジネスです。
当ファンドは、モノづくりに圧倒的な競争力を持つ製造業にも投資しています。台湾のTaiwan Semiconductor Manufacturing Companyは半導体受託製造で圧倒的な地位を築いていますし、インドネシアの食パン・菓子パンメーカーNippon Indosari Corpindoはこれまでも現地で定期的な製品値上げを行っており、インフレへの抵抗力を有しています。Li Ning Companyは中国におけるスポーツ用品市場の主要プレーヤーの一社で、強いブランド力を持っています。
当ファンドは長期の投資時間軸に耐えうるような、潜在市場規模の大きいと判断した成長企業にこだわって投資しています。経済が成熟し人口減少に見舞われている日本では、グローバル企業へ投資し、人口規模が大きいアジア地域では内需型の企業に主に投資することで、息の長い成長を享受できると考えます。

スパークス・新・国際優良日本アジア株ファンド | SPARX Asset Management


スパークス・韓国株ファンド(愛称:韓国厳選投資)

ウクライナ情勢はこのところ、世界の注目の的となっています。 米国とEUはロシアの直近の行動をウクライナ侵攻とみなし、ロシアに対して強力な制裁を発動すると発表しました。ロシアに対する経済制裁は、ロシア経済のみでなく、ロシアと取引関係にある国や企業に対しても深刻な影響をもたらす可能性があります。韓国政府は国際的な制裁への参加を表明しましたが、具体的な措置は発表していません。当ファンドは韓国政府がどのような措置を取るのかをじっくりと見極めなければなりません。
ロシアがウクライナへの侵攻を開始してから、原油と天然ガスの国際価格は一貫して上昇しています。また、ロシアとウクライナは半導体の製造に欠かせない主要原材料であるネオンとクリプトンの主要輸出国です。さらに、ウクライナは世界の小麦のうち約25%を輸出しています。こうした点によってインフレと世界経済をめぐる不透明感が一層深まっているというのが、当ファンドの見方です。
当ファンドは、世界的なサプライチェーンの混乱からくる影響が最小限に留まっている銘柄や業界を選好しています。コロナ禍を端緒とするサプライチェーンの混乱によって、市場関係者は安定したサプライチェーンを保持することの重要性を再認識し、政府でさえ新しい生産方針に対応しています。サプライチェーンの混乱は、足元のウクライナ危機のような地政学的リスクや気候変動によって、今後いつ発生してもおかしくありません。
世界の経済と市場に影響をおよぼす変数や要因は多数存在します。現状は全く予測不可能で一瞬先さえ見えない状況ではありますが、当ファンドは収益モメンタムが堅調で、競争力の高いビジネスモデルを有すると判断した企業を、引き続きポートフォリオに組み入れてまいります。

スパークス・韓国株ファンド | SPARX Asset Management


スパークス・ジャパン・スモール・キャップ・ファンド(愛称:ライジング・サン)

ロシアのウクライナ侵攻を受け、商品市況の急激な上昇による世界的なインフレ懸念や欧州経済のスローダウン懸念など、株式市場では動揺が広がっています。一方で今回の件を受け、FRB(米国連邦準備制度理事会)の利上げ見通しについて過度な急上昇を見込む見方は後退した印象です。その結果、昨年後半から大幅に調整してきたグロース株の株価下落は目先ボトムを付けたとみています。過去の利上げ局面では、景気が後退しない限り利上げ見通しが高まる段階でグロース株が下落し、実際に利上げが実施されると株価が反転するケースが多く、今回も3月のFOMC(米国連邦公開市場委員会)がグロース株の転機になるとみています。そのため今後はバリュー株、グロース株にこだわることなく、事業環境に関わらず中長期的に業績を伸ばせると判断した企業を中心に投資してまいります。

スパークス・ジャパン・スモール・キャップ・ファンド | SPARX Asset Management


スパークス・少数精鋭・日本株ファンド

ロシアのウクライナ侵攻を受け、地政学的リスクが大きく高まっています。ウクライナが穀物生産の主要国であったことから、穀物市況も高騰しています。先進各国は地政学的リスクによる景気減速懸念と、インフレ高騰リスクの両面への対応を迫られていると言えます。株式市場でもリスク回避の心理が高まっており、投資資金は、今まで人気の高かった企業から、人気の低かった企業へのシフトなども見られます。
一方、当ファンドでは、投資アプローチ・投資対象の変更は考えておりません。当ファンドでは、JCUのように、ニッチ市場(特定分野)で高いシェアを持ち、強い製品力に裏付けされた高い収益性を持つ企業を発掘し、投資してまいりました。強みが特定分野に限られているが故に株式市場からの注目は低い企業が、典型的な投資対象です。これらの企業の中には、社会経済構造の変化によって得意とするニッチ市場が拡大する、つまり当該企業が成長する可能性があるにも関わらず、株式市場から注目されていないため、将来期待出来る利益が株価に反映されていない企業が存在しています。まさに、このような企業が、当ファンドが狙っている(造語ですが)GAVP(Growth At Value Price:成長を安い価格で買う)の状態です。将来の企業収益の議論を抜きにした「グロース株かバリュー株か」という議論とは距離を置き、中長期的な企業業績と株価を軸に企業発掘をしてまいります。

スパークス・少数精鋭・日本株ファンド | SPARX Asset Management


スパークス・プレミアム・日本超小型株式ファンド(愛称:価値発掘)

ロシアのウクライナ侵攻、またそれに伴う原油、天然ガスや商品価格の急騰など、コロナ禍からの回復を期待する経済に大きく冷水を浴びせられる結果となりました。短期的には、先行き不透明な環境が続くことも予想されますが、エネルギー価格以外は、日本への影響は比較的軽微であること、小型株は内需関連銘柄が多く相対的には安全性が高いこと、割安な水準にあること、また過去の紛争においても株式市場の回復は早いことから、過度に悲観する必要はないと考えます。運用方針としましては、安全資産への逃避の流れも継続が予想されることから、過去に上昇していた銘柄に対する売り圧力への注意が必要であり、投資ウェイトの引き下げを検討したいと思います。一方、急落した銘柄や割安な株価で低迷している銘柄の中から、経済活動正常化や構造的な変化に伴い成長が期待できる銘柄への投資を進めてまいります。

スパークス・プレミアム・日本超小型株式ファンド | SPARX Asset Management


スパークス・日本株・ロング・ショート・ファンド(愛称:ベスト・アルファ)

年初からの米国での利上げ懸念を機に始まった株式市場の変調に加えて、ロシアによるウクライナ侵攻という地政学的リスクが顕在化したことで株式市場の動揺が続いています。
徐々に顕在化してきた世界的なインフレの動きが短期的な現象にとどまるのか、長期化するのかについては現時点で予測することは不可能ですが、これまでコロナ禍による経済停滞を支えるために続いてきた緩和的な金融環境が終了し、インフレを見据えた金融政策の運営が行われることは確実と考えます。このような環境で次の2点に注目して投資を行っていく方針です。1点目は株価バリュエーションと成長性に対する厳格な評価です。これまでの緩和的な金融環境のなかで、高い成長性を持つ企業に対する評価を、上昇する金利環境を反映した評価に切り替えていく必要があります。成長についても事業規模の拡大だけでなく、収益性を伴った成長の実現可能性に関し、これまで以上に確からしさを追求して評価します。2点目は競争優位性です。資材や原材料、人件費など上昇する調達コストを販売価格やサービス単価に反映させられるか、原価改善やコストダウンで吸収できるかどうか、インフレ経済環境では各企業の競争条件によって大きな差が生まれることになります。経営判断が競争優位を確保する方向に向かっているかどうかに注目し、企業評価を行っていく方針です。
一方でショート投資では、成長市場に属しながらも商品力やサービス内容が一般的で事業の拡大を利益成長に繋げられない企業や、コストの上昇を価格に反映することができない競争優位性の低いと判断した企業を投資候補として調査を行います。経済環境、社会情勢が大きく変化するこれからの時代には、強い企業と弱い企業の格差がより大きく鮮明になっていくことが予想されます。株式市場の上下に左右されることなく、ロング、ショートそれぞれの投資を通じて安定的な投資リターンを積み上げてまいります。

スパークス・日本株・ロング・ショート・ファンド | SPARX Asset Management

こちらのファンドも同じ内容を取り上げております。
スパークス・日本株・L&S | SPARX Asset Management


■その他

投資活動・企業活動によるインパクトについて ― スパークス・ジャパン・オープン(愛称:キョウソウの架け橋)

2022年、当ファンドは投資活動のインパクトを計測し管理する方法を進化させるために時間を費やします。
ここでいうインパクトとは、(1)当ファンドが投資先企業に与える影響と(2)投資先企業が世の中に与える影響の二つを想定しています。そのどちらにおいてもポジティブな変化をもたらすことを意図して活動した上で、その活動がもたらすインパクトを可視化することを目指していきます。
すでにインパクトの一部は測定し、自分たちの活動を見直す際の参考にしています。例えば当ファンドのエンゲージメントを通じて企業がどのような気付きを得られたかをアンケート手法で調査することや、企業別の温室効果ガス排出量のデータを収集し環境へのネガティブインパクトを把握することなどの活動です。
すでに行っている上記の活動に加えて、今年は企業ごとの活動の質を評価するフレームワークの構築を目指します。たとえば企業の活動が生み出すインパクトは追加的な意味を持つのか、事業活動と整合的か、将来にわたる実現可能性が高いか、などを判断するための軸を明確にしていきます。
インパクト管理については世界的にフレームワークが確立途上であるため、テキストを読んで学べることには限界があります。むしろ、先進的に取り組んでいる人たち、例えばインパクト管理に積極的な上場企業やインパクト投資家、との意見交換によって知見を蓄えることが重要と考えています。また、インパクト管理の仕組みを整備したいという企業が増える傾向にあるため、そのような企業との対話の機会を積極的に持つことで、活動をサポートしつつ、より良い方法論を模索します。これらの地道な活動によって、知識や経験を獲得し、実効的な手法の確立を目指します

スパークス・ジャパン・オープン | SPARX Asset Management

こちらのファンドも同じ内容を取り上げております。
スパークス・アクティブ・ジャパン | SPARX Asset Management


石油化学産業における脱炭素への取り組み ― スパークス・M&S・ジャパン・ファンド(愛称:華咲く中小型)

今般当ファンドでは、石油化学産業において進行している脱炭素への取り組み、中でもプラント機器に注目しています。石油化学プラントそのものが脱炭素化の中で必要とされなくなっているのではないか、などという懸念の声も聞かれそうですが、そのような懸念の中でも、各国政府支援の下、新たな技術導入が進展しています。例えば北米では、サトウキビなどを原料としたバイオ燃料へのシフトのため、既存石油化学プラントの転換プロジェクトが数多く進展しています。中国においても、生分解性プラスチック(最終的に二酸化炭素と水となって自然界へと循環していくもの)を製造するためのプラント改造需要が旺盛です。
これら取り組みにおいて見逃せない点は、1)多くが既存石油化学プラントの転換であること、2)カーボンニュートラル達成に向け中長期で投資が続くと考えられること、です。カーボンニュートラル達成のためには、ともすれば全てのエネルギーを再生可能エネルギーで賄うといった極端な議論になりがちですが、現在私たちの生活を支えている石油化学製品を急になくすことはできないのが現実と考えます。また、各国が置かれた気候条件やエネルギーミックスなど、世界的に画一的な解を見つけることも困難です。特に高度な石油化学コンビナートを有する諸国において既存設備の高度化は、設備投資額のみならず、環境負荷の低減にもつながります。
このような中にあって、当ファンドは高効率であったり、環境負荷の低いプラント機器に改めて需要が高まると考えています。プラント機器の需要は石油化学企業の設備投資に連動するため、あまり機器単独での性能に注目が集まりにくいニッチな商材ですが、各社の投資が大型プラントの新設から高度化への投資にシフトしていく中、より機器メーカー間の優勝劣敗は加速する可能性が高まります。日本にはニッチでありながら特定市場で高い世界シェアを有するメーカーが多く存在しており、当ファンドは中小型株市場における魅力的な投資機会として注目しています。

スパークス・M&S・ジャパン・ファンド | SPARX Asset Management


プレミアムヘルメットメーカー「SHOEI」 ― スパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンド(愛称:対話の力)

当ファンドでは、SHOEIは世界のプレミアムヘルメット市場におけるリーディングカンパニーとして高い潜在成長力をもつと見ており、主に以下3つの観点から、同社の実態価値と現在の同社株価には、バリューギャップがあると考えます。
一点目は、世界のプレミアムヘルメット市場の成長余地に対する見方です。これまで、日本を含む世界の主要先進国においては、プレミアムヘルメットの主要ユーザーである大型バイクのライダー数が減少傾向にありました。日本を含む先進国で20歳以上60歳未満の男性人口が減少していることに加え、近年は若者が自動車やバイクを所有しなくなったことが主な理由と見られます。しかし、コロナ禍を経て、密を避ける移動手段/レジャーとしてバイクが見直され、バイク利用者数は回復傾向にあります。この流れを受け、SHOEIの2021年9月期決算は、前年比大幅増収増益を達成しました。足元では工場のフル稼働が続いており、中国など一部地域向けに十分な供給数を確保できない状況です。そのため、同社は新工場の建設を計画しています。経済成長が続く中国では、中間~富裕層向けに大型バイクの輸入台数が急増しており、プレミアムヘルメット市場の伸長が期待できる地域であると当ファンドは見ています。一方、株式市場参加者の間では、コロナ禍を受けた世界的なライダーの増加が一過性のものか否か、また、中国で本格的に大型バイクユーザーが増加するか否か等について、見方が分かれているものと思われます。
二点目は、同社の収益力の改善余地に対する見方です。
その高いブランド力を背景に、同社は新製品を発売する度に値上げに成功しており、製品単価が上昇し続けていることが、同社が高い利益率をもつ理由の一つです。同社のブランド力とタイトな需給状況に鑑みれば、引き続き値上げ力は維持されると当ファンドは見ています。同社によれば、地域別にみると利益率に差があり、一部の相対的に利益率が低い地域で値上げを進めることで、中長期的に全社利益率をさらに改善させる余地があるとのことです。加えて当ファンドでは、同社の受注、生産、在庫管理においてデジタル化を進める余地があると見ています。デジタル投資を積極的に行うことで、より精度の高い需要予測や生産・在庫管理が可能になれば、オペレーションのさらなる効率性改善が可能になると考えます。
三点目は、バランスシートの見直しによる資本収益性の改善余地です。同社は実質的に無借金経営であり、総資産の約半分を現預金が占めています(2021年9月末現在)。今後の順調な業績拡大により、キャッシュフロー創出力はさらに高まることが期待されます。同社の株主資本比率がすでに78%に達していることを踏まえれば、さらに内部留保を積み増すという経営判断は合理性に乏しいと思われ、稼いだキャッシュをいかに活用するかは、今後の経営において重要なテーマと考えます。将来の成長につながる事業投資として、さらなる生産能力の拡大、上述のデジタル投資などが優先度の高い資金使途として考えられますが、それらに充当してもなお残る余剰資金については、増配や自社株買いを通じて株主還元に充当することが望ましいと当ファンドは考えます。同社のROE(株主資本利益率)は、25.8%(2021年9月末現在)と高い水準にありますが、今後の業績拡大と収益性の改善がROEにも適切に反映されるためには、規律ある資本政策を策定し、資本効率について経営の意識を高めることが不可欠であると考えます。

スパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンド | SPARX Asset Management


以上、2022年2月の月次レポートをまとめてみました。どれも盛りだくさんの内容となっておりますので、是非リンクの各投資信託のページへ飛んでいただき、全文をご覧ください!

 ※こちらは2022年2月末のマンスリーレポートをもとに再編集しております。内容はチームメンバーの見解を元に書いているため、スパークス全体の見解とは異なることがありますのでご了承ください。また、記事にある企業名等の内容は参考情報であり、特定の有価証券等の取引を勧誘してはいない点もご理解いただけますよう、お願いいたします。


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スパークス・アセット・マネジメント
独立系投資会社スパークス・アセット・マネジメントの公式noteです。 「もっといい投資をしよう!」を合言葉に、投資への思いを語る場にしたいと思います。