第2回 重視するのはアクティブ・シェア
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第2回 重視するのはアクティブ・シェア

”かけがえのない存在になるためには、人とは違っていなくてはならない。” *

フランスを代表する「CHANEL」の創業者、ココ・シャネル。

世界中の女性を魅了した彼女が常に考えていたこと、それは「人と違うこと」でした。
異なる領域であれ、超一流には共通する要素が必ずあります。
今回はこの彼女の言葉から、アクティブ運用の真髄に迫ってみたいと思います。

「人と違うこと」=「アクティブ・シェア」

シャネルは語ります。

”わたしのことを見て「なに、あの女。へんな服を着て」とみんな笑ったわ。でも、それが私。そして、それこそが成功の秘密だった。” *

株式投資も同じです。

人(市場)と異なるアイデア、人と異なる戦略・ポジションを採ることで、初めて、超過リターン(市場平均よりも高いリターン)を実現することが可能になります。

投資信託における「人と違うこと」、それが「アクティブ・シェア」です。
投資信託(アクティブ・ファンド)を選別する時には、ぜひ「アクティブ・シェア」が高いファンドを選んでください。

「アクティブ・シェア」が投信選定の一丁目一番地です。

良くも悪くも「アクティブ・シェア」が高くなければ、「人と違う」リターンの実現は見込めません。このことについて、具体的に見ていきましょう。

アクティブ・シェアとは?

学術的な定義までを含めて、アクティブ・シェアについて知りたい方は、スパークス・アセット・マネジメントの上席研究員である水田氏が書いたレポートをご参照ください。
https://www.sparx.co.jp/report/special/2134.html

ここでは要点のみを整理してお伝えします。下の図をご覧ください。

二つの円、それぞれが投資のアイデア(ポートフォリオ)です。

この灰色の部分が「市場のアイデアと同じになってしまっている」ことがお分かりいただけるでしょうか。

この部分はどう足掻いても「市場リターンと同じ」になってしまいます。
「あなた独自のアイデア」は青色の部分のみで、この青色の比率を「アクティブ・シェア」と呼びます。
つまりアクティブ・シェアは0~100%の間に収まる指標になります。

「アクティブ・シェア」における注意点

並外れたパフォーマンスは市場コンセンサス(総意)とは異なる、正しい予測からしか生まれません 。

ここで難しい点が「市場の総意と異なったものでなければならない(条件1)」だけでなく、それが「正しい予測でなければならない(条件2)」ということです。

アクティブ・シェアは「条件1」のみを満たす指標です。
それ故、「アクティブ・シェアが高い」=「高いパフォーマンス」に必ずなるとは限らない点に注意をしましょう。

アクティブ・シェアは高いパフォーマンスの十分条件ではなく、必要条件です。

「アクティブ・シェア」を重視した投信選定①

しかしながら、アクティブ・シェアはあまり公開されていない指標です。

指標としてまだ一般的ではないことや、何を以ってして「市場のアイデア」とするかによって、その数値自体が変化してしまう点などから、開示には慎重なスタンスが一般的です。

そこで、私が実践する「アクティブ・シェアが高いファンドを選別する方法」を共有したいと思います。

まず非常にわかりやすい例が、「投資信託のコンセプト自体が市場から離れている」ケースです。
例えばテーマ株式ファンド(EVトレンドファンド、AI関連ファンドなど)はアクティブ・シェアが高くなる傾向があります。

しかし、これには一つ問題点があります。
それは、そのテーマが、先述した「条件2(正しい予測であること)」を満たすかどうかの判断を投資家(受益者)自身がしなければならない、ということです。

そのテーマに投資すること自体が「間違った予測」になった時、投資家自らが判断し、その投資信託を売却しなければなりません。
パフォーマンスの責任が投資信託を運用するファンド・マネージャーにではなく、投資家にも課せられる点から、難易度の高い投資であると考えています。

私も自分のポートフォリオにはテーマ株式ファンドはひとつも組み入れていません。
スパークスでも同じ考えから、創業以来、テーマ株式ファンドは1本も組成していません。多分、今後も組成することはないと思っています。
また、投資信託は全ての情報が開示されている訳ではないため、そのテーマが本当に「正しい予測」であるかを自らが判断するには、情報が不十分となる場合も考えられます。

一方で、普遍的な(陳腐化しない)コンセプトには一考の余地があります。
企業の成長フェーズを捉えた、中小型株式ファンドなどはアクティブ・シェアを高める非常に有効な戦略であると言えるでしょう。
私も、中小型株式ファンドはポートフォリオに積極的に組み入れるよう、意識をしています。

「アクティブ・シェア」を重視した投信選定②

次に考えられる方法が「上位保有銘柄の投資比率」からアクティブ・シェアをイメージする方法です。

ほとんどの投資信託の月次報告書には「上位保有銘柄の投資比率」が記載されています。

「上位保有銘柄の投資比率(下表A列)」と、「指数による(上位保有銘柄に対する)投資比率(下表B列)」を調べ、重複部分(C列)を出してみます。(下表A列とB列のいずれか低い数値が重複部分になります)。

指数による投資比率が下位保有銘柄の場合、投資比率が開示されていないこともありますが、その際には上位保有銘柄だけを調べます。
(MSCIやFTSEなど大手情報ベンダーはウェブサイトにおいて、指数の上位保有銘柄を掲載しています。
https://www.msci.com/documents/10199/b3ee6464-f705-4d65-81a0-d8756607cf9f)

上表では、ポートフォリオ55%の内8%、比率にして約15%弱(8%÷55%)が指数と同じポジションになっていることが分かります。

この数値・比率が低ければ低いほど、ポートフォリオのアクティブ・シェアは高くなる傾向があります。

このプロセスは、ここまで厳密にせずとも、検討している投資信託と指数の上位保有銘柄を眺め、重複部分を大まかに把握するだけでも効果は高いと考えています。

是非、参考にしてみてください。

最後に皆さんにココ・シャネルの言葉をお届けして、第2回を終わりたいと思います。

“強くなりたい?それならば、流れに逆らって泳ぎなさい。そして、自分の水路を見つけなさい。” *

皆さん、思いっきり「アクティブ」に楽しんでいきましょう。

※内容は著者の見解を元に書いているため、スパークス全体の見解とは異なることがありますのでご了承ください。

* 出典:「ココ・シャネル 99の言葉」(扶桑社文庫)

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独立系投資会社スパークス・アセット・マネジメントの公式noteです。 「もっといい投資をしよう!」を合言葉に、投資への思いを語る場にしたいと思います。