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Letters From SPARX ~2022年12月~

こんにちは。スパークス・アセット・マネジメント、公式note運営チームです。

「Letters From SPARX」では、スパークスが運用する投資信託(ファンド)が発行する毎月のレポート(月次レポート)の解説を続けてまいりました。

年間3,400社以上の企業調査(2022年実績)を行っているファンドマネジャーやアナリストによるレポートは、投資としての情報を得るだけでなく、これからの世界を俯瞰し、想像するヒントになるかもしれません。

2021年4月から続くこの「Letters From SPARX」も、もうすぐ丸2年を迎えようとしています。そこで今回は改めて、運用会社としてこのnoteを通じて情報を発信する意味を考えてみました。

私たち運用会社は、投資家である皆さんからお預かりした大切な資金を、魅力的な企業に最適配分することで、より良い投資機会をお届けする役割を担っています。

皆さんの資金は、優れた企業経営者に託され、新たな事業機会を支える一助となっています。故に私たちは、投資信託の保有者である皆さん(受益者)が、企業の実質的な株主、つまり企業のオーナーであると考えています。

企業オーナーである皆さんと投資先企業の距離を最小化し、「世界中にもっといい投資を」お届けすることが、私たちのミッションです。これからのnoteでは、毎月のレポートだけでなく、日々の運用の中で私たちが見たこと、聞いたこと、感じたことを、出来るだけ分かりやすくそして面白く、お伝えしていければと願っています。

私たちは、投資家の皆さんの声に出来る限り耳を傾けたいと考えています。皆さんが普段感じていることや疑問点、スパークス・アセット・マネジメントに期待していることなどがあれば、コメント欄や、弊社のお問い合わせページに皆さんの声を届けていただければ幸いです。
お問い合わせ | SPARX Asset Management

これからもスパークス・アセット・マネジメントを、どうぞよろしくお願いいたします。


話を切り替え、2022年の日本株式市場を振り返ると、約40年振りの本格的なインフレと、それに伴う世界的な金利水準の高止まりを背景に、TOPIX(配当込み)は2.45%の下落となりました。

金利はあらゆる金融資産の価格決定において重要な役割を果たします。金利が急激に上昇すると必然的に企業価値評価の再考が必要になることがあります。これらを背景に、スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)のレポートでは、2022年の株式市場を振り返るとともに、インフレと金利の高止まりが長期間に亘って継続する可能性を鑑み、組入比率を変更した企業などについてコメントをしました。

2022年、厳選投資のパフォーマンスに貢献した企業の一社が、日立製作所です。厳選投資のレポートでは、日立製作所のルマーダ事業や同社の社長・会長を務めた故中西宏明氏が考えた同社の競争優位性についてコメントをしています。中西氏が以前講演された際の動画はYouTubeにも掲載されています。厳選投資のレポートと併せて視聴されると、より理解が深まるかもしれません。

今年の元旦に、日本経済新聞の一面に日立製作所の記事「日立、37万人ジョブ型に」が掲載されたことは皆さんの記憶に新しいのではないでしょうか。同社37万人に同じ雇用体系を設け、グローバルでの適材適所な人材配置を目指す、との記事です。「一年の計は元旦にあり」とのことわざがありますが、これからの日本経済の行く末を象徴する様な記事に、優秀な人材確保に向けた経営戦略の重要性を感じました。

それから10日後の1月11日には、ファーストリテイリングの記事「ファストリ、国内人件費15%増へ」が同じく日本経済新聞の一面を飾ります。

日立製作所やファーストリテイリングの経営戦略から読み取れることは、世界水準での競争力確保です。

これからは、人材確保や賃金上昇が企業経営の最重要課題の一つとなり、両社の様な企業や、賃金上昇を実現する成長力(価格決定力)のある企業の競争優位性がより際立ってくるかもしれません。今回はその背景について考えてみたいと思います。

スパークス・アセット・マネジメントでは、新型コロナウイルスの拡大によって生じたサプライチェーン(製品・サービスが調達・生産・製造・物流・販売などを通じて消費者に届くまでの一連の繋がり)の再構築が地政学リスクの高まり等を背景に一段と加速すると考えています。2020年の初め、私たちは新型コロナウイルスによって、マスクに象徴される「当たり前の大切さ」に気付き、そしてその喪失に大きなショックを受けました。

産業界も同じく、特定の国・地域に生産の全てを依存するリスクを改めて認識しました。今や新型コロナウイルスは、マスクだけでなく、エネルギーや食糧、半導体、スマートフォン、自動車に至るまで、あらゆる財のサプライチェーンの再構築を促しています。ソニーグループがカメラ生産(日米欧向け)のほぼ全量を中国からタイの工場に移管しており、その足音は確実に大きくなっています。

そしてこれは日本国内への投資を加速させる要因の一つにもなるかもしれません。そこで課題となるのが、優秀な人材の確保です。2022年11月末日現在、日本の有効求人倍率(求職者に対してどの程度の求人数があるかを示す指標、倍率が1を上回れば求職者の数よりも人を探している企業数が多く、下回れば求職者の数の方が多いことを示す)は既に1.35倍(東京都は1.69倍、北海道は1.17倍)と、過去の平均値から比べても高い水準にあるのです。

図1:主要都市における有効求人倍率の推移(1989年12月~2022年11月)
※ 都道府県(受理地)別有効求人倍率(季節調整値)(パートタイムを含む一般)
※ 上記は過去の実績であり、将来を示唆するものではありません。
出所:一般職業紹介状況(職業安定業務統計)をもとにスパークス・アセット・マネジメント作成

また、このトレンドは長期で続く可能性があります。それは雇用が、経済変動に加えて人口動態の影響を少なからず受けている可能性があるからです。この人口動態を重視した人物が、「未来学者」とも呼ばれた経営学の巨人、ピーター・F・ドラッカー氏です。

ドラッカー氏はその著書「イノベーションと企業家精神」※において、「すでに起こっている変化(パラダイム・チェンジ)とは何かを問いつつ、社会とコミュニティを観察すること」、「その変化が一時的なものではなく、本当の変化であることを示す証拠はあるかを問うこと」、「もしその変化に意味と重要性があるのであれば、それはどのような機会をもたらしてくれるのかを問うこと」の重要性を説きました。

※ P・F・ドラッカー(2007)「イノベーションと起業家精神」ダイヤモンド社

また、ドラッカー氏は「すでに起こった未来は、体系的に見つけることができる」と語っており、人口動態、知識、他産業・他国・他市場、産業構造、組織内部という5つの領域の変化からそれを見出せるとしました。

日本の人口は、総人口が1億2,477万人、15~64歳の人口が7,411万人(全体の59.4%)です(総務省統計局による推計、2023年1月)。
人口推計- 2023年(令和5年) 1 月 報 -

しかし、これから30年後の2053年には、総人口は9,924万人(2023年1月から2,553万人、20.5%の減少)、15~64歳の人口は5,119万人(同2,292、30.9%の減少)になることが予想されています(国立社会保障・人口問題研究所による推計)。
日本の将来推計人口(平成 29 年推計)

日本における労働人口の減少は、まさにドラッカー氏が示す「すでに起こった未来」です。現時点で誰もが確認出来る変化、出来事をしっかり見ること、そしてその中から社会・産業の巨大なパラダイム・シフトの行き先を見つけることの重要性を感じます。

世界的な賢人であるドラッカー氏の様な先見の明を持つことは、とても難しいことかもしれません。しかし、その変化を注意深く観察出来る者だけが、未来を探し出すヒントを手にすることは間違いないでしょう。そして、日立製作所やファーストリテイリングの企業経営者は、それを見出したのかもしれません。

先日、弊社のアナリストと議論をしている時に「カリスマの出現を待ってばかりではいられない」との発言を受けました。経営に課題を抱えている企業はどうあるべきか、そして私たち運用会社はどうするべきかとの議論を重ねている最中での発言でした。

日本には3,800社を超える上場企業があります。多くの企業があるだけに、全ての企業が日立製作所やファーストリテイリングの様に、変化に対して合理的な判断・対応が出来ているとは限りません。私たち運用会社が主体的に企業を選別し、資本配分を最適化する意味や意義について、深く考えさせられた瞬間でした。

皆さんはこれらに端を発する日本企業の課題について、どの様にお考えでしょうか。また、運用会社としてのスパークス・アセット・マネジメントにどの様なことをご期待されているでしょうか。コメント欄やお問い合わせなどを通じて、お聞かせ願えれば幸いです。


【ご留意事項】
公式note運営チームは、スパークス・アセット・マネジメントの運用担当部門ではありません。その為、note掲載記事については、スパークス・アセット・マネジメントまたは運用担当部門見解とは異なることがありますのでご了承ください。また、記事にある企業名等の内容は参考情報であり、特定の有価証券等の取引を勧誘しているものでありません。

【スパークス・アセット・マネジメントの月次レポート一覧】

スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)
スパークス・厳選投資ファンド(野村SMA・EW向け)
スパークス・厳選投資ファンド(確定拠出年金向け)
スパークス・ベスト・ピック・ファンド(ヘッジ型)
スパークス・厳選株ファンド・ヘッジ型(ダイワ投資一任専用)
スパークス・アクティブ・ジャパン(愛称:キョウソウのバトン)
スパークス・ジャパン・オープン(愛称:キョウソウの架け橋)
スパークス・日本株式ファンド(ラップ向け)
スパークス・ジャパン・スモール・キャップ・ファンド(愛称:ライジング・サン)
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スパークス・新・国際優良アジア株ファンド(愛称:アジア厳選投資)
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スパークス・日本アジア厳選株ファンド・ヘッジ型(ダイワ投資一任専用)
スパークス・アジア中東株式ファンド(隔月分配型)
スパークス・アジア中東株式ファンド(資産成長型)
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