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Letters From SPARX ~2022年1月 月報まとめ~

こんにちは!スパークス・アセット・マネジメント、公式note運営チームです。

当月は株式市場が大きく下落し、弊社ファンドも同様に下落する展開となりました。
インフレと金利上昇に伴う影響についてのコメントが多くみられましたが、各ファンド中長期の目線での投資を行っており、この下落に動揺することなく、むしろ選び抜いた投資先企業にとっては競争力を高めるきっかけとなる、といった力強いコメントが印象的でした。
ぜひ各ファンド、全文をリンク先でご覧になってみてください。

■インフレと金利上昇の影響

スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)

インフレーションとそれを抑えるための金利上昇は、当ファンド組入銘柄に対して二つの波及経路を通じてマイナス影響を及ぼします。
一つは企業業績に与える影響です。インフレによって原材料価格や人件費などが高騰すると収益を圧迫し、金利上昇が起きれば企業の利払い負担が増えます。またインフレや金利上昇が進み人々の生活が苦しくなれば経済成長が鈍化し、需要停滞を引き起こします。これらのリスクに備えるために、当ファンドのポートフォリオはインフレの影響を受けづらい「ソフトウェア、オンラインサービス、ソリューションなどを提供するアセットライトなビジネス」と、インフレリスクに晒されながらも、高い競争力によって健闘が期待できる「モノを提供する製造業的ビジネス」をそれぞれバランスよく保有するように心掛けています。インフレが続いた場合は前者のグループが成長を続け、インフレ・金利上昇が短命に終われば、後者が成長を牽引すると期待できるからです。 
もう一つの波及経路は上記でも述べた金利上昇が株価のバリュエーションに与えるマイナス影響です。当ファンドが保有している幾つかの安定した高成長期待(リニアな利益成長)が織り込まれている企業の株価(=高 PER 株)は、理論上、将来キャッシュフローに適用する割引率が 2%上昇(例えば 8→10%)するだけで、高成長の前提が変わらなかったとしても本源的価値は 3~4 割ほど目減りすると当ファンドは考えています。これに該当する当ファンド組入銘柄はキーエンス、日本電産などが考えられます。
(中略)私どもは基本方針として、当ファンドが割安と考えて一旦投資した優良企業株は、よほどのこと(例えば参入障壁の弱体化に伴う本源的価値の毀損や、バリュエーションが極度に割高になった場合)がない限り、継続保有することをこれまで続けてきました。このような「腰を据えた保有スタンス」が当月に限っていうとファンドリターンのマイナス要因になってしまったのは否めません。一方で過去のバリュー株相場局面でグロース株が下落した時も、あわてて売却せず保有を続けたことが、今日に至るまで当ファンドの資産拡大に寄与してきたのも事実です。よって当ファンドは、インフレや金利動向によって刻一刻と変化する相場トレンドに応じてポートフォリオを変えることは原則行いません。

スパークス・新・国際優良日本株ファンド | SPARX Asset Management

スパークス・韓国株ファンド(愛称:韓国厳選投資)

韓国市場では、まず電池、バイオテクノロジー、インターネット、ゲームなど、いわゆるBBIG(Battery、Biotech、Internet、Game)銘柄が、続いてメタバース(現実世界と異なる三次元の仮想空間)やNFT(非代替性トークン)の関連銘柄が異常とも言える上昇を見せましたが、こうした高バリュエーション銘柄が急激に下落し、株式市場全体に影響を及ぼしたのです。韓国企業の多くはメーカーで、輸出を志向しています。原材料費や物流コストが高まると、企業収益が圧迫されます。コロナ禍がきっかけでデジタル変革に取り組む企業が増加していることも、IT 人材の不足とあいまって、人件費の増加要因となっています。高バリュエーション銘柄の株価下落、コスト圧力、FRB の金融引締めはいずれも株式市場にとって大きな負担です。
利上げとインフレは株式市場にとって全般的に望ましいことではありませんが、株価が異常な水準にまで上昇している高バリュエーション銘柄にとっては、より深刻な影響が及ぶでしょう。今こそ細心の注意を払って銘柄を選択し、「優良企業」を探し出すべき時だと当ファンドは考えています。コスト圧力が原因で業績が期待外れだった企業は、値上げによってそうした問題を軽減でき、今後の業績に寄与すると当ファンドは考えています。今年上半期の業績が改善すれば、それが株価上昇のきっかけとして作用するはずです。物流とサプライチェーンの混乱、人手不足によって発生するコスト圧力を顧客に直接転嫁できる企業とできない企業があるため、今後は両者を見極める必要があります。当ファンドは足元の市場環境を踏まえ、収益モメンタムが良好または改善中で競争力がある企業を中心に、ポートフォリオを調整していきます。

スパークス・韓国株ファンド | SPARX Asset Management

スパークス・ジャパン・オープン

物価上昇が続けば、企業は価格転嫁、生産性改善、コスト削減などで対応するでしょうし、消費者は費用対効果を厳しく見極めるようになることが予想されます。また、収入の高い企業への転職や副業などで収入向上を目指す人が増えるかもしれません。 
このように変化する状況は多くの企業にとってリスクになりますが、変化に適切に対応できる企業にとってはむしろ競争力を高める機会になり得ます。結局のところ環境適応力を見極めることが重要になると考えられるため、個別企業の経営方針についての調査を入念に行っていきます。 
なお、エネルギー価格が高止まりを続ける可能性がありますが、当ファンドは価格上昇のメリットを受けることのみを理由に化石燃料関連の企業に投資をすることはしません。化石燃料価格の上昇は、むしろ再生可能エネルギーや省エネルギーソリューションなどの代替手段の価格優位性を高め、最終的にはエネルギー転換を後押しすることにつながるだろうと当ファンドでは考えるからです。また、エネルギー価格抑制のために化石燃料の開発が促される可能性がありますが、環境負荷を伴う開発プロジェクトは持続性の観点で問題があるため、それを投資機会とすることは控えます。

スパークス・ジャパン・オープン | SPARX Asset Management

こちらのファンドも同じ内容を取り上げております。
スパークス・アクティブ・ジャパン(愛称:キョウソウのバトン)↓
スパークス・アクティブ・ジャパン | SPARX Asset Management

スパークス・M&S・ジャパン・ファンド(愛称:華咲く中小型)

今後の業績動向を考える上での課題の一つはインフレです。当初の想定以上に資源高が長引いており、先日の米国金融政策決定会合でもインフレについての言及が強まっている印象を受けます。日本は長らくデフレ経済が続いてきましたが、今後消費者物価への影響は避けられなくなる可能性があります。
当ファンドが投資する企業群は、複数の観点でインフレ耐性を有していると当ファンドは考えています。高いブランド力や市場シェアを有しているために価格決定力がある企業が多いほか、堅固な財務基盤を有しているために金利上昇などの影響を受けにくいためです。また中小型株市場は大企業と比べて事業規模が大きくないため、外部環境の影響以上に企業独自の成長要素により業績を拡大させている企業も数多く存在します。コロナ禍で進展したデジタル化の流れや、省人化・省力化などの効率化をもたらす商品・サービスへの需要シフトは、業界ごとの差異はあれ今後も進展すると考えられます。
SaaS(Software as a Service、サービスとしてのソフトウェア)企業のように市場期待を大きく集めたものもありましたが、高すぎる成長期待と実態の成長率とに乖離が生じれば株価は調整せざるを得ません。一方で、構造的な変化は、必ずしも目立って起こるものばかりではありません。一見変化が遅いように見える土木建築やサービス業においても水面下では着実に変化が進行しています。短期業績への影響は限定的でも、中長期の観点では企業間格差の拡大につながる可能性は高く、市場から見過ごされている投資機会のひとつとして当ファンドでは注目しています。

スパークス・M&S・ジャパン・ファンド | SPARX Asset Management

スパークス・少数精鋭・日本株ファンド

2022年初頭より世界の株式市場が荒れています。世界的なインフレ懸念、そして各国の金融政策が引締めに転じる可能性が背景にあります。今後のインフレ、各国の金融政策の方向性を正確に予想するのは極めて難しいですが、当ファンドでは投資方針を変更する必要はないと判断しています。金利上昇は、一般的にはバリエーションの高い企業の株価によりマイナスに影響しますが、当ファンドは株式市場の注目を集めていたバリエーションの高い企業を避けて来ました。また、独自の強みがある企業への投資アプローチであるため、現在のインフレ(コストアップ)も、製品価格を引き上げることで中長期では業績に影響しないものと考えています。
引き続きボトムアップ・リサーチを通じて、個社の強みがあり、その強みが株式市場に認識されていない企業を発掘してまいります。

スパークス・少数精鋭・日本株ファンド | SPARX Asset Management

スパークス・プレミアム・日本超小型株式ファンド(愛称:価値発掘)

米国での想定以上の金融引締め観測から、全世界の株式市場が当月は大きく下落し、特に市場から割高感の高いと判断された銘柄や流動性の低いと判断された小型株の下落が厳しい結果となりました。米国の金融引締めは、今までの「マクロ環境」からの転換であることからその影響には注意が必要ですが、金利上昇を想定しても日本の株式市場、特に小型株市場には割安な銘柄が多く存在しており、売られ過ぎの状況にあると考えます。一方、短期業績では、エネルギーや素材価格の上昇や半導体、電子部品の不足の影響に加えて、新型コロナウイルスの感染再拡大の影響にも注視してまいります。

スパークス・プレミアム・日本超小型株式ファンド | SPARX Asset Management

スパークス・日本株・ロング・ショート・ファンド(愛称:ベスト・アルファ)

金融政策の変化によって引き起こされた当月の下落は、回復に時間がかかる可能性がありますが、ファンダメンタルの方向性に変化はないと考えていることから、低下した現在の株価水準は投資のチャンスととらえています。理由は次の三点です。①米国の金利引き上げの初期で景気がすぐに腰折れするとは考えられないこと、行き過ぎた金利引き上げが経済に悪影響を与えるリスクはあるものの初期の引き上げではそれほどのインパクトは考えられないこと、②半導体不足や新型コロナウイルスの感染拡大を要因としたサプライチェーンの混乱によって低下した在庫水準を元の水準に戻すための生産は今後半年以上続く見通しが高いこと、③コロナ禍収束後の経済活動再開の効果、支援策の再開が控えていること、これら三点から企業業績が改善する度合いに応じて株価が上昇する展開を想定しています。
また世界的なインフレ圧力の高まりは、30 年間デフレ経済に苦しめられてきた日本経済にとっては新しい変化をもたらすポジティブな現象ととらえるべきではないかと考えられます。高い品質力や強い競争力を持つ日本企業にとっては、製品やサービス価格を見直し、収益性を高められる絶好の機会となる一方で、これまでデフレ経済環境下で継続的なコスト低下メリットを享受しながらも低収益を続けてきた企業が淘汰される契機となる可能性があります。社会や経済に対する停滞感が強い日本にとっては、企業の新陳代謝を促し経済の活性化を後押しする大きな変革が期待できます。これはロング・ショート投資戦略にとってはまたとない投資機会が訪れると当ファンドは考えています。

スパークス・日本株・ロング・ショート・ファンド | SPARX Asset Management

こちらのファンドも同じ内容を取り上げております。
スパークス・日本株・L&S↓
スパークス・日本株・L&S | SPARX Asset Management

■企業分析

アジア最大の生命保険会社「AIA Group Ltd」 ― スパークス・新・国際優良アジア株ファンド(愛称:アジア厳選投資)

当月のパフォーマンスにプラスに貢献した銘柄の一つに、当ファンドの長期組入銘柄であるAIA Group Ltd(香港/保険)があります。同社はアジア最大の生命保険会社としてアジア太平洋地域の18 ヵ国に進出し、多角的に事業を展開してきました。同社は、アジア経済の成長力からも恩恵を受けています。アジア地域では中間所得層が増加しており、保険の需要と保険契約率のギャップが大きいため、保険会社には長期的かつ構造的な成長機会が存在し、今後数十年は持続的成長が見込めると、当ファンドは考えています。
中国本土は2021 年上期時点で同社最大の市場で、新契約価値(VONB)の38%を占めるなど、成長力は依然としてきわめて旺盛です。2019 年の規制改革以降、同社は中国で当初進出した5 都市以外に、年間2-3 都市のペースで進出地域を拡大しています。こうした事業拡大は、同社の質の高い販売員と強固なブランド力に支えられています。同業他社の多くがこの2 年の間に中国の販売員数を大きく減らしたのを尻目に、同社は販売員の採用を積極的に拡大しています。事業拡大にもかかわらず採用手続は厳格なので(採用は候補20 人に1 人程度、大卒が70%超など)、販売員の能力と生産性は中国でもトップクラスです。同社の開示情報によると、同社の販売員1 人当たりVONB は業界平均の4 倍に達しています。そのため、同社は将来的に中国の他都市への進出を担う幹部や運営チームの候補者を養成することができ、今後の事業拡大がより早く、より容易になると当ファンドでは考えています。先日、同社はChina Post Life Insurance 社(以下、CPLI)の株式を24.99%取得したことで、CPLI の販売員やCPLI 傘下の銀行であるPostal Savings Bank of China 社経由による関連会社のバンカシュランスネットワーク社を通じた新市場へのアクセスが容易になるという効果も手にしています。

スパークス・新・国際優良アジア株ファンド | SPARX Asset Management

デジタル治療アプリの開発「サスメド」 ― スパークス・ジャパン・スモール・キャップ・ファンド(愛称:ライジング・サン)

当月は、当ファンド組入銘柄の「サスメド」について、ご紹介します。同社は、デジタル治療(Digital Therapeutics)アプリの開発などで事業展開しています。デジタル治療は、医薬品、医療機器に次ぐ第三の治療方法として海外を中心に市場が急拡大しています。また医薬品等に比べ開発期間が短く、開発費も少額であるため事業リスクが低く、開発に成功した場合高い収益性が見込める事業です。同社は、不眠症、慢性腎疾患、乳がんなどの分野の認知行動療法治療等アプリを開発中です。中でも注目されるのが不眠症治療アプリです。
日本では不眠症の治療法として、主に薬物療法が選択されています。その理由は、もう一方の治療法である認知行動療法は有効性が高いものの医師の負担の大きいことが普及の障害になっているためです。このような中、同社は、治療用アプリを用いて認知行動療法を確立することを目指しています。同社の不眠症治療アプリは、医師が不眠症と診断した患者に対して処方されます。患者は自宅等でアプリに睡眠時間などを入力し、アプリがその入力情報に基づいて患者の症状を把握し、患者がとるべき行動を指南します。
すでに不眠治療アプリは、従来の認知行動療法よりも効果が高く、効率的であることがフェーズ3(第Ⅲ相試験。薬剤などの有効性や安全性等を確認する試験)で判明しています。また、保険点数も従来の認知行動療法と同等の診療報酬がつくと想定され、そのうち半分を医療機関に分配することで、医療機関にとっても効率的でメリットの大きい治療法になると考えています。
現在睡眠薬の市場規模は500億円ほどで、潜在患者を含めると4,000億円ともいわれています。このような中、2月1日に同社は製造販売承認申請を行いました。当ファンドは、同社の治療アプリが不眠症治療の新たなモダリティ(低分子化合物、ペプチド(中分子)薬、再生医療といった治療手段)となることに期待しています。

スパークス・ジャパン・スモール・キャップ・ファンド | SPARX Asset Management

電子回路の絶縁用ソルダーレジストメーカー「太陽ホールディングス」 ― スパークス・少数精鋭・日本株ファンド

太陽ホールディングスは、電子回路の絶縁用ソルダーレジストの製造で世界トップシェアを誇る企業です。ソルダーレジストとは、電気機器の中にある緑の板(電子基板)に塗られている緑色のインキのことです。同社は、元は印刷用インキのメーカーでしたが、1970年代に電子機器向けインキに参入、そしてソルダーレジストを経営の軸として発展してきました。
(中略)当ファンドでは、上記の株価を割安にする要因は解消し、同社は再び成長フェーズに入ったと判断し、投資を開始しました。まずソルダーレジストを使わないフレキシブルプリント基板や、基板を使わない半導体チップ技術の拡大リスクは低減したと考えています。どちらも生産効率が上がらず、普及するにはコストが高すぎる状況が続いています。当ファンドでは、多くの企業の分析を通じ、現在はフレキシブルプリント基板、基板レス半導体チップ技術ともに研究開発の中心にはなく、技術革新によってソルダーレジストが不要となるリスクは低下したと考えます。結果、ソルダーレジストは、PC、スマホ、データセンターに加えて、車載用の半導体・電子部品向けに高い成長が期待できると当ファンドは考えます。また医薬品製造販売事業に関しては、工場獲得などの先行投資フェーズが終わり、今後は既に製造を受託した医薬品の生産が開始されることで、収益拡大が期待できると考えます。医薬品製造販売事業は、少なくとも株価を下押しする要因にはならないと当ファンドでは判断しました。
現在の同社にとっての最大のリスクは為替レートです。ソルダーレジスト事業は、海外販売比率の大きさに対し、主力工場が日本にあるためです。しかし当ファンドでは、同社のもつ世界シェアとソルダーレジスト市場の拡大を考えれば、円高となっても、価格調整と数量拡大で利益拡大は可能と考えています。

スパークス・少数精鋭・日本株ファンド | SPARX Asset Management

回転寿司チェーン大手「FOOD & LIFE COMPANIES」 ― スパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンド(愛称:対話の力)

FOOD & LIFE COMPANIES(以下F&LC) は、厳選した仕入れと店内調理へのこだわり、そして食材原価率を高く設定する方針により、質の高い寿司を手ごろな値段で提供し、競合他社に対して自らを差別化してきました。高い原価率を維持して利益を出すためには、スケールメリットを活かした大量一括仕入による仕入れコストの削減や、食品ロスの削減が必要です。省人化による店舗オペレーションの効率化も欠かせません。F&LC は、IT を活用した回転すし総合管理システムを導入しています。このシステムにより、どの商品がいつレーンから取られたのかをリアルタイムで把握し、そのデータを基に高い精度で需要を予測することで、廃棄食材の削減につなげているほか、店舗全体の運営コストの抑制が可能になります。しかしながら、F&LC の競争優位性と考えられていた高い原価率や、店舗オペレーションについて、競合他社も同様に力を入れはじめつつあることから、F&LC がその優位性をどこまで維持し続けることができるかを注視する必要があります。 F&LC は、日本で確立したノウハウを武器に、海外出店を加速させています。昨年 11 月に発表された新・中期経営計画によれば、2024 年 9 月期までに海外売上高比率を 20%以上(2021 年 9 月期現在 8%)へ拡大させる計画とのことです。世界的な健康志向を背景とした日本食への関心の高まりを追い風に、「Sushiro」ブランドは、中長期的に日本初の外食グローバルブランドに成長する潜在力を秘めていると当ファンドは期待しています。この実現には、海外でも日本と同様の競争優位性を確保することが不可欠です。効率的な人材育成システムにより、国内店舗の優れた店舗オペレーションを現地でも実現することはもちろんのこと、海外で店舗数が急増することに伴い、良質な水産資源を大量に確保するための調達ネットワークの構築も重要なカギとなります。
F&LC は新・中期経営計画の中で、「川上での調達基盤づくり」として、養殖事業者やバイオ技術ベンチャーとのパートナーシップを通じたノウハウ蓄積を積極的に進めることを強調しています。味の決め手となる飼料の調達段階から関与したり、これまで養殖が難しいとされてきた魚種について研究を進め養殖を可能にすることで、さらなるコストメリットを享受しつつ、良質な水産資源を安定的に確保することが期待できるとのことです。回転寿司ビジネスは、天然資源に大きく依存するビジネスであり、サステナビリティの観点から、透明性の高いサプライチェーンを構築することは、今後ますます重要になると考えます。養殖は調達元がはっきりしているため、このような観点からも理にかなった調達ルートであると言えます。一方、養殖領域で高度なノウハウを蓄積することや、安定的で透明性の高いサプライチェーンをグローバルに構築することは、相応の時間がかかると考えられます。F&LCの重要な成長ドライバーである海外事業展開に死角がないかについて、これまで以上に注視していくことが、同社に対する投資を継続する上で必要と考えます。
当ファンドでは、回転寿司ビジネスの中期的な成長性、スシローの持つ商品力、そして海外展開による高い潜在成長力を評価していますが、引き続き面談を通じ、成長に向けた具体的な取り組みについて丁寧に確認し対話を行うことで、株主として同社のさらなる企業価値向上を後押ししていく方針です。

スパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンド | SPARX Asset Management

以上、2022年1月の月次レポートをまとめてみました。どれも盛りだくさんの内容となっておりますので、是非リンクの各投資信託のページへ飛んでいただき、全文をご覧ください!

※こちらは2022年1月末のマンスリーレポートをもとに再編集しております。内容はチームメンバーの見解を元に書いているため、スパークス全体の見解とは異なることがありますのでご了承ください。また、記事にある企業名等の内容は参考情報であり、特定の有価証券等の取引を勧誘してはいない点もご理解いただけますよう、お願いいたします。

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