Letters From SPARX ~2021年7月 月報まとめ~
新型コロナウイルスに関係する内容の可能性がある記事です。
新型コロナウイルス感染症については、必ず1次情報として厚生労働省首相官邸のウェブサイトなど公的機関で発表されている発生状況やQ&A、相談窓口の情報もご確認ください。またコロナワクチンに関する情報は首相官邸のウェブサイトをご確認ください。※非常時のため、すべての関連記事に本注意書きを一時的に出しています。
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Letters From SPARX ~2021年7月 月報まとめ~

こんにちは!スパークス・アセット・マネジメント、公式note運営チームです。

スパークスでは各投資信託(ファンド)の動き、今後の方針等を説明するレポートを毎月出しております。(月次レポート)
株式市場の振り返り、今後の見通し、注目する業界、企業・・・日々運用調査を行っているファンドマネジャーによるレポートは、ただファンドの情報を得るだけでなく、今後の世界がどのようになっているのか、想像するヒントになると感じます。

各ファンドの内容について概要をまとめてみましたので、興味のある内容について、ぜひリンク先でご覧になってみてください。


【日本株式長期厳選投資戦略】

スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)

当月は、今年度に入り投資を始めた「日立製作所」について、2009年以降のリストラ、顧客企業の課題解決型ビジネスのLumada事業、近年の買収案件等をまとめ、詳しく投資理由をご紹介しています。

今年度に入り、 当ファンドは日立製作所への投資を行いました。 同社は 100 年以上の歴史を持つ日本を代表する総合電機メーカーです。同社の事業範囲は IT システムの開発、産業機器、家電、医療機器、自動車関連機器の製造、発電所システムや鉄道システムの構築、関連サービスの提供など多岐に亘ります。 
同社は 2008 年の世界金融危機によって 8,000 億円近い赤字決算を記録し、日本の失われた 20 年を象徴するような企業として見られてきました。しかしその後に断行したリストラによって収益力が回復し、ここ数年は成長戦略に対する取り組みを加速させています。当ファンドは、同社が今後持続的かつスピード感のある利益成長ステージに移行すると判断しました。 
最大の鍵を握っているのが、2016 年に同社独自の産業系 IoT(Internet of Things、モノのインターネット)プラットフォームとして立ち上げた「Lumada事業」です。同社経営陣が目指しているのは、高度経済成長期の主流であった単純なハードウェア製造ビジネスから、同プラットフォームを活用した顧客企業の課題解決型ビジネスへの脱皮です。
(中略)日立製作所への投資は、企業の長年にわたる安定した実績(トラックレコード)を重視する当ファンドの投資スタイルには必ずしも当てはまりませんが、近年当ファンドが行ったソニーグループへの投資同様、長い時間をかけて同社の復活をウォッチしてきました。こうすることで、トラックレコードが不足するデメリットを補うことができます。同社はターンアラウンドが実現してから 10 年以上経つこと、現状の株価バリュエーションの安さ、および今後のビジネス展望を鑑みれば、当ファンドの掲げる投資哲学からは大きくは逸脱していないと考えます。


【アジア株式投資戦略】

スパークス・新・国際優良日本アジア株ファンド(愛称:日本アジア厳選投資)

当ファンドでは、先ほどの厳選投資のコメントに加え、中国政府の前例のない取り締まりにより多くの中国企業の株価が下落していることをうけ、中国株リスクについてコメントしています。

当ファンドでは、保有全26銘柄中、中国企業の株式は7銘柄で、当ファンドが投資するマザーファンドの純資産総額に対する組入比率は14.7%となっています。これら7社のうち、スポーツ用品メーカーLi Ning Companyや、食品調味料メーカーのYihai International Holdingなどは、中国政府の取り締まり対象にはなるとは考えづらく、当ファンドは保有を継続しています。またインターネット企業であるAlibaba Group Holdingはすでに年初の取り締まり強化によってフィンテック子会社Ant Group社の上場中止の決定や、eコマースプラットフォーム上での独禁法に抵触する活動に対して罰金の支払いも済ませており、一連の逆風は収まってきていると判断されます。ゲーミング事業が主力のTencent Holdingsはビデオゲームの未成年者に対する悪影響の懸念から、すでに2018年に行政指導を受けており、新規ゲームの審査凍結などのペナルティを経験済みです。よって、更なる大規模な取り締まりの可能性は低いというのが、当ファンドの見解です。


スパークス・新・国際優良アジア株ファンド(愛称:アジア厳選投資)

当ファンドでは中国株リスクに加え、インド最大の電力取引所を運営する「Indian Energy Exchange」についてコメントしています。

同社はインド最大の電力取引所を運営しており、市場シェアをほぼ独占しています。同取引所は11日間までの短期契約に特化しています。(中略)インドでは現在、短期市場が占める割合は電力市場全体の11%に過ぎませんが、他国では40-50%に達しています。Indian Energy Exchangeはこの短期カテゴリー内で市場シェアの半分近くを握り、残りは相対取引を行っています。同社のシェアは電力市場全体でみると6%に過ぎませんが、シェアが少し増えるだけで売上高は大幅に増加することになります。
電力取引所としての同社の収益力は高く、株主資本利益率(ROE)は45%、純利益率は60-70%に達しています。市場関係者のニーズにさらに応えるために、様々な契約形態(長期契約、先物、オプションなど)を導入することで、同社は事業をさらに拡大できるものと考えられます。同社は先日、全額出資子会社を通じてガス取引所も立ち上げましたが、この事業は今後、同社のさらなる成長の原動力となることが期待できると、当ファンドは考えます。


【韓国株式投資戦略】

スパークス・韓国株ファンド(愛称:韓国厳選投資)

当月は、当ファンド組入上位銘柄の「SK Materials」と、バイデン米大統領が米国経済の競争促進を狙って新たに発した大統領令について取り上げ、あわせて当ファンドの見解もご紹介しています。

韓国半導体業界の主な動向は以下の三点です。
(1)半導体供給業者が戦略を値上げから供給拡大へと移行していること。
(2) DRAMの分野で、キャッシュフローを増加させることより、キャッシュフローを活用して事業を垂直統合し、さらに水平拡大することの重要性が高まりつつあること。
(3)上記(1)(2)への対策がすべて積極的に、先回りして行われていること。
投資家はこれまでDRAM価格の変動や利益の増減に目を向けてきましたが、今後はDRAMのキャッシュフローが将来の成長のために活用されているか否かという点に注目するでしょう。こうした理由から、株価の上昇によってこのところバリュエーションが上昇しているにもかかわらず、当ファンドはSK Materialsの組入比率を高めています。(中略)SK Materialsの事業内容は製造業的色彩より半導体素材に特化したPEF(プライベートエクイティファンド)的な色彩が濃いと、当ファンドは考えます。同社はM&Aを継続的に行い、先進技術を有する企業を選別して同社のグループ企業のSK Hynix社が必要とする素材を確保するという形で成長していく可能性が高いでしょう。株主資本利益率(ROE)は25%前後と高い水準を維持しており、配当性向も上位25%に入っています。
(中略)現在審議中の法案の一部には反トラスト規制を改定する過程でITプラットフォーム企業の事業分野拡張を制限する方策が盛り込まれているため、法案の通過プロセスをよく把握しておく必要があります。「ITプラットフォーム企業独占禁止法」の下では政府が企業の「合併と買収」に直接介入できるようになることには、とりわけ注意が必要です。韓国の大手テクノロジー企業は適切な措置を講じて、こうした事態の影響を最小化する必要があります。


【日本株式サステナブル投資戦略】

スパークス・ジャパン・オープン

当月は、東京オリンピックで感じたダイバーシティについてと、組入企業である「丸井グループ」のサステナビリティ活動と弊社との対話事例をご紹介しています。

東京オリンピックが開催されました。アスリート達のひたむきな姿は、多くの人びとに夢を追うことや感謝の気持ちの大切さを再認識させたのではないでしょうか。しかし、競技場の外では直前まで開催について反対の声が上がりました。新型コロナウイルス感染拡大への懸念が主な反対理由と見られますが、その声を大きくした要素の一つに大会組織委員会の関係者による差別的な発言が複数報道されたことがあると思われます。 
現在の世界基準において許される内容ではない発言がこのタイミングで問題になったということは、残念ながら従来の日本社会の人権や差別への意識が低かったということの表れと言えるのではないでしょうか。日本企業の多くがダイバーシティの促進を経営課題に掲げるようになっていますが、世界基準との比較ではまだ人権や差別に対して認識レベルが低いという指摘もあります。 
しかし、角度を変えて見ると、日本社会の人権や差別に対する意識の高まりが、隠れていた問題を発覚させたという見方もできるように思います。また、一連の「騒動」を見て、人権意識の重要性に気付いた組織が管理体制を強化するなどの改善に向けて進むきっかけになるかもしれません。 
当ファンドも社会の変化に目線を合わせ、投資判断における人権についての判断軸を磨きなおすとともに、投資先企業の体制が世界基準に満たない場合には改善を促してまいります。
以上、丸井グループのサステナビリティ活動について、対話事例を含めて見てみました。 丸井グループの特徴は、以下のとおりです。 
・ TCFD 開示において先進的な取り組みを行っている 
・ サステナビリティ意識の高さは創業の精神を大切にしている経営者の意思によるところが大きい 
・ 共創の精神や、経済性についての意識の高さが現場にも浸透している 

当ファンドは今後も、日本版スチュワードシップ・コード、国連が支援する PRI(責任投資原則)、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の考え方に準拠し、良質なパフォーマンスを追求すると同時に、よりよい社会を構築する一助となるべく、良い投資先企業を選別した上で、株主として支えていきます。

こちらのファンドも同じ内容を取り上げております。
スパークス・アクティブ・ジャパン↓


【日本株式中小型投資戦略】

スパークス・M&S・ジャパン・ファンド(愛称:華咲く中小型)

当月は当ファンドが行っているエンゲージメント活動について、荷主企業の物流サービスを受託し運営する「センコーグループホールディングス」との対話を事例にご説明しています。

当ファンドでは、企業自身が社会との関係を見直したり、自社の付加価値に対し自信を持つことで、その変化を促進することの一助になることを目指してエンゲージメント活動を行っています。特に市場からの注目が比較的低い中小型株市場においては、当ファンドのような長期投資家との対話が、企業の持続的成長を促す重要な役割を果たしていると考えます。
(中略)当ファンドでは、3PL(Third(3rd)Party Logistics、運輸企業や物流業者ではない物流企業(=第三者)が荷主から一括で受託し物流業務をおこなっていくこと)と呼ばれる荷主企業の物流サービスを受託し運営する、センコーグループホールディングスに投資を行っています。
(中略)当ファンドは同社との「対話」において、物流サービスの高度化による顧客企業の価値向上施策について意見を交わしてきました。従来単なるコストとの位置付けであった物流サービスが、需要の多様化や循環型社会への転換が進むにつれ、重要性を帯びてきているのではないかとの提言です。会社側からは、その可能性について自覚をしつつも、従来の事業形態に対する認識が強く意識改革が進んでいなかったとの反応をいただいています。こうした「気付き」はすぐさま企業業績に影響を及ぼすものではありませんが、健全な企業運営において重要な要素の一つです。当ファンドとしては、このような対話による意識改革や自信の醸成が、結果として価格決定力の向上やビジネスモデルの転換につながると期待しています。


スパークス・ジャパン・スモール・キャップ・ファンド(愛称:ライジング・サン)


当月は、今後の運用方針と共に、新規組入企業の「サイゼリヤ」についてご紹介しています。

当ファンドが注目しているのは次の三点です。
一つ目は海外出店の加速による海外事業の利益貢献です。同社のアジア事業は国内事業に比べ収益性が高いため、海外での知名度上昇による大手モールなどへの出店加速によりアジア地域の収益貢献度が今後高まることが期待されます。
二つ目は国内事業の収益性改善です。コロナ禍で営業時間を含めた社内での徹底したコスト見直しが進んでおり、コロナ禍収束後に既存店が回復した場合には、国内事業の収益性もコロナ禍前より大きく改善する可能性が高いと見られます。
三つ目は国内での出店加速です。現在のレストラン業態だけでなく、今後は食材のみを提供する小型店舗のフォーマットの開発に着手したことで出店フォーマットが広がり、出店余地も広がると考えます。国内外での成長余地が高まったことで同社の中長期的な成長率が高まると判断し、当ファンドは新規投資しました。


スパークス・少数精鋭・日本株ファンド

当月は、組み入れ上位の独立系住宅ローン保証大手企業「全国保証」についてご紹介しています。

当ファンドでは、同社の業績拡大が持続することを期待し投資しています。銀行子会社の保証会社によるローン保証から、独立系の同社へのシフトは、今後も続くことが想定されます。加えて、銀行子会社の信用保証業務の事業売却が増加し、同社は買い手として残高シェアを上げていくことができると思われます。2016年に日本銀行がマイナス金利政策を導入して以降、銀行の貸出し利ザヤが縮小しました。現在の住宅ローンを取り巻く収益環境では、銀行子会社で住宅ローン保証を提供する経済合理性はなくなりつつあります。銀行の自社ATMが共同ATMに置き換わりつつあることと同様の動きになると、当ファンドでは考えています。事実、2020年以降、同社は複数の金融機関の信用保証子会社を買収しています。
一方、株式市場は、引き続き同社の成長性を反映出来ていないと思われます。新型コロナウイルスの感染拡大は、雇用市場に多大な影響を与えています。住宅ローンの返済に行き詰まる人が増えたというニュースも多く報道されています。住宅ローンの返済に行き詰まる人の増加は、全国保証にとってはコストとなります。短期業績が厳しくなる可能性を株式市場は意識していると思われます。当ファンドでも、短期的な厳しさは否定出来ないと考えていますが、厳しい状況を乗り切る財務力が同社にはあり、コロナ禍を乗り越えた先にシェア拡大による高い成長があると判断しています。


スパークス・プレミアム・日本超小型株式ファンド(愛称:価値発掘)

当月のプラス貢献企業とマイナス影響企業、今後の運用方針についてコメントしています。

東京オリンピックが始まる中で、新型コロナウイルスの感染再拡大が顕著となり、2022 年 3 月期第 1 四半期決算は好調ですが、今後の業績悪化懸念が高まっています。 世界経済の回復を牽引していた中国は成長鈍化の兆しが見られ、東南アジア地域の環境は厳しい状況にあります。日本株式市場は、米国株式市場などの海外株式市場に比べてパフォーマンスがアンダーパフォームしており、足元の経済回復の遅れを表していると考えます。 半面、日本株式市場の割安感や経済回復の余地は大きく、コロナ禍の収束を見据えた投資を行う必要があると考えます。 
運用方針としましては、割高感が強いと見られる銘柄への売りが顕著になっていることから、過去パフォーマンスが好調であった銘柄の売却を進める一方で、カーボンニュートラルの実現に向けた変化や新しい生活スタイルなどに対応して大きく利益が増加すると期待できる企業への新規投資、投資比率の引き上げを行ってまいります。


【日本株式ロング・ショート戦略】

スパークス・日本株・ロング・ショート・ファンド(愛称:ベスト・アルファ)

当月は新規組入企業である、プロフェッショナル人材の顧問契約を斡旋するプロシェアリングサービス企業「サーキュレーション」のほか、ショート投資銘柄についてコメントしています。

当ファンドが同社に着目する点は二つあります。一つ目は、潜在的な成長力です。コロナ禍以降、働き方の多様化が加速する中で、企業は人材の活用方法を見直さざるを得なくなったと考えています。その意味で、新しい人材の活用方法はこれから10年のメガトレンドであり、同社の展開するプロシェアリングサービスには大きな成長性を感じます。
二つ目は、独自の営業チャネルから経営力の高さが読み取れることです。同社は、プロ人材を求める企業を全国の地方銀行を通じて獲得することを得意としています。地方銀行の営業現場では、資金ニーズはなくとも人材ニーズは強いとのことで、同社を通じて人材紹介が行われることが増えています。地方銀行としては、その人材紹介を起点として、資金ニーズを発掘できるとのことで企業、金融機関、プロ人材の三方がWin-Win-Winの関係を生んでいます。このように、地方銀行を営業の窓口として協業する戦略性、その実行力に同社の経営力の高さを感じます。この経営力は、同社の中長期的な成長を期待する上でのポイントになると考えます。

こちらのファンドも同じ内容を取り上げております。
スパークス・日本株・L&S↓


【日本株式価値創造・対話型戦略】

スパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンド(愛称:対話の力)

当月は、組入企業のセラミック部品メーカー「MARUWA」についての投資見解及び対話内容を紹介しています。

当ファンドでは、6月に同社のIR担当者と面談を行いました。上述の懸念や提案を改めて議論する中で、同社のIR担当者から以下のような発言がありました。
(1) IR体制に関して
従来作成していなかった決算説明資料を作成・公表しており、来期以降は可能な限りセグメント情報を開示することを予定している。また、個別のIR対応に関しても、IR担当者の変更に伴い一時的に抑制しているが、今後再開する予定であること。
(2) 資本効率に関して
同社は自己資本比率の高さがROE改善の余地を狭めているという点を認識しており、今後は適切な資本政策に関して継続して検討していく予定であること。また、同社は今後数年間のうちに、自動車や通信機器の分野で需要が急拡大するセラミック製品に関して積極的な生産能力増強を行っているため、配当に関しては早急に水準を切り上げるのは難しいものの、適切な株主還元の水準に関しても考慮していくこと。
同社からは、「当ファンドとの議論は同社にとって有益であり、今後も企業価値向上のための方法を共に考えていきたい」という趣旨のコメントをいただきました。



以上、2021年7月の月次レポートをまとめてみました。どれも盛りだくさんの内容となっておりますので、是非リンクの各投資信託のページへ飛んでいただき、全文をご覧ください!

※こちらは2021年7月末のマンスリーレポートをもとに再編集しております。内容はチームメンバーの見解を元に書いているため、スパークス全体の見解とは異なることがありますのでご了承ください。また、記事にある企業名等の内容は参考情報であり、特定の有価証券等の取引を勧誘してはいない点もご理解いただけますよう、お願いいたします。

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独立系投資会社スパークス・アセット・マネジメントの公式noteです。 「もっといい投資をしよう!」を合言葉に、投資への思いを語る場にしたいと思います。