Letters From SPARX ~2022年4月 月報まとめ~
「ロシア」「ウクライナ」に関係する内容の可能性がある記事です。
極端な内容・真偽不明の情報でないかご注意ください。ひとつの情報だけで判断せずに、さまざまな媒体のさまざまな情報とあわせて総合的に判断することをおすすめします。 また、この危機に直面した人々をサポートするために、支援団体へのリンクを以下に設置します。 ※非常時のため、すべての関連記事に注意書きを一時的に表示しています。
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Letters From SPARX ~2022年4月 月報まとめ~

スパークス・アセット・マネジメント

こんにちは!スパークス・アセット・マネジメント、公式note運営チームです。
世界的な物価上昇や、なかなか収束のみえないロシア軍のウクライナ侵攻・・・社会的な混乱が続いておりますが、弊社では調査活動を続け日々新たな投資先や魅力的なビジネスについて検討しています。当月はこのような状況を踏まえた投資アイデアや、日本のサービス価格についての考察、投資先企業との対話に対する考え方などのコメントがありました。ぜひ興味のある内容について、リンク先でご覧になってみてください。

※今月より月報のデザインがリニューアルされました!

■インフレ、円安等社会的混乱への投資アイデア

スパークス・ジャパン・オープン(愛称:キョウソウの架け橋)

世界的な物価上昇とロシア軍によるウクライナへの侵攻が、相互作用的に社会混乱を引き起こしています。当ファンドでは混乱の長期化によって人々の精神的ストレスが高まり、事態が更に悪化するという負の連鎖を懸念しており、それを未然に防ぐためのソリューションの一つとして娯楽による精神の安定効果に期待を寄せています。
ストレス発散と人々の交流促進という観点で最も注目に値するソリューションの一つに旅行があります。コロナ禍の鎮静化による需要増加が予想されるため、業界全体の業績回復が期待できるという点でも注目に値します。
また、ゲームもエンターテインメント性に加えて、オンラインゲーム、eスポーツ、ゲーム実況動画などを通じてユーザー間の交流を活性化する役割を担います。旅行と比較すれば体験の深さは及びませんが、飛行機や車での移動に比較すればはるかに省資源で楽しめることから、気候変動や資源価格上昇を抑制しつつ、人々のコミュニケーションを促進することができるという点で、優れたソリューションだといえます。
当ファンドでは社会が不安定化している状況だからこそ、あえて娯楽産業に注目し、旅行業界やゲーム業界について周辺分野も含めて調査を行い、社会安定に貢献する企業を投資候補として発掘すべく調査を進めます。

スパークス・ジャパン・オープン | SPARX Asset Management

 こちらのファンドも同じ内容を取り上げております。
スパークス・アクティブ・ジャパン(愛称:キョウソウのバトン)↓
 スパークス・アクティブ・ジャパン | SPARX Asset Management

スパークス・M&S・ジャパン・ファンド(愛称:華咲く中小型)

インフレの長期化、深刻化により、電気自動車(EV)の普及加速に対し不透明感が漂い始めています。当ファンドでは、電装化、電動化の進展は構造的なものである一方、普及曲線が修正されることで見込まれる投資機会に注目をしています。
電気自動車(EV)に必須となる電池の材料は供給制約が多い一方需要が加速度的に増加しており、材料価格が電池価格、ひいては自動車価格に与える影響を無視できないレベルにまで上昇しています。電池のコストは30%上昇するとも言われており、電池コストが自動車全体に占める割合を30%とすれば、車体コストに9%の影響を及ぼすという計算になります。食品など生活必需品の値上がりが続く中で自動車のコストが9%上昇し、そのまま価格転嫁されるとなれば、買い控えによる需要減少が危惧されます。もちろん企業側も単に手をこまねいているわけではなく、希少資源の使用量を減らし代替材料を用いたり、エネルギー効率を高める技術開発を進めたりするなど施策は行っているでしょうが、必ずしもすぐに成果が出るものばかりではなく、一定の影響は避けられないものと考えられます。
このような環境下において、当ファンドでは買い替えサイクルの長期化による保有自動車消耗部品の需要増加に注目し、日本特殊陶業に投資を行っています。同社は自動車用エンジンの点火プラグや排ガスセンサで、世界シェアトップクラスのメーカーです。点火プラグは自動車生産時だけでなく走行距離に応じて交換が行われるため、製品需要は市場にある自動車台数全体に連動する特徴を持っています。一方で内燃機関の長期的な減少懸念から、市場の同社業績に対する成長期待は低く、同社株式は低位な株価評価が続いています。当ファンドでも内燃機関の需要先行きに対して明るい見通しを持っているわけではありませんが、加速度的なEVシフトが進むとの見方が変わりつつある状況により、同社の業績成長がまだしばらくの間継続するという可能性が高まってきたと考えています。また、自動車買い替えサイクルの長期化を背景とした補修用プラグ需要の増加に加え、今まで行えていなかった資材価格上昇分の適時価格転嫁や、生産品目の集約による生産効率改善など、個社要因としての企業努力も見逃せない変化です。結果、同社の限界利益率は着実に向上しており、従来よりも高い業績水準が期待できる環境にあると考えています。
また、中長期視点での内燃機関の需要減退は引き続き課題ではあるものの、非内燃機関事業への転換は着実に進展している印象を持っています。数年前から新規事業投資を積極化させてきましたが、注力分野の選別が進んできたことで、手探りの先行投資局面から業績貢献を評価できる局面へと近づきつつあるためです。依然、内燃機関事業が利益の過半を占める状況にあるのは事実ですが、内燃機関事業から創出されるキャッシュ・フローの増加により、事業ポートフォリオ転換の加速も期待できます。
外部環境の急激な変化により、企業の経営戦略は再考を余儀なくされています。当ファンドも従来の偏見を排除し、柔軟に環境変化に適応できる企業への選別投資に努めます。

スパークス・M&S・ジャパン・ファンド | SPARX Asset Management 

スパークス・ジャパン・スモール・キャップ・ファンド(愛称:ライジング・サン)

FRB(米国連邦準備制度理事会)がインフレ抑制のため積極的な金融引き締め姿勢を打ち出し、想定以上に長期金利が上昇したことで、当月は成長株の下落が目立ちました。米国のインフレ動向次第では更なる金利上昇の可能性もあるため、バリエーションの高い成長株への投資はより銘柄選別が重要になると考えます。一方で日米金利差の拡大を受け、円安ドル高が進行しています。新聞報道等では円安の悪い側面だけとりあげられているように思いますが、長年円高によって国際競争力が低下した製造業にとって、円安は競争力回復につながり追い風になると考えます。そのため円安メリットを生かし長期的に成長が期待できる製造業関連への投資ウエイト引き上げを今後検討してまいります。

スパークス・ジャパン・スモール・キャップ・ファンド | SPARX Asset Management

 

スパークス・プレミアム・日本超小型株式ファンド(愛称:価値発掘)

エネルギー価格の上昇に加えて円安の進行が止まらず、日本のインフレ懸念がさらに高まっており、今後の個人消費の動向や企業業績への懸念が拡大しています。ロシア軍のウクライナ侵攻についても早期解決のめどが立たず、引き続き厳しい状況が続くことが予想され、エネルギー価格や商品価格の高止まりが想定されます。また米国の金融引き締めが本格化することから、割高に推移している海外株式市場の悪影響が懸念されています。しかし、日本の株式市場は割高感が小さいことや日銀の緩和姿勢の継続から、悪影響は限定的と考えられます。また政治経済的にリスクが相対的に小さいことからも、海外市場が下落しても相対的には堅調に推移するのではないかと考えます。企業業績は当面は不透明感が続くと見ていますが、日本経済はコロナ禍からの回復余地が大きいことから、インフレの加速度が低下すると思われる年後半からは上昇基調に転じるのではないかと考えています。運用方針としては大きく下落した銘柄の中から、成長余地が高く割高感の低い銘柄の投資を進めてまいります。またインフレ対応力が高く、中期的に社会の変化に追随できる企業などに、引き続き選別投資を行ってまいります。

スパークス・プレミアム・日本超小型株式ファンド | SPARX Asset Management

 

スパークス・韓国株ファンド(愛称:韓国厳選投資)

各国中央銀行は積極的に金融引き締めを行いインフレ抑制に努めていますが、目標インフレ率の達成は困難であるように見受けられます。コロナ禍に起因するサプライチェーンの危機は年内に落ち着くと考えられますが、ロシア軍のウクライナ侵攻や中国における都市封鎖によって、インフレ圧力が再び世界的な高まりを見せています。
天然ガス、石炭、原油などの価格上昇に伴い、年初から電力価格が急上昇しています(電力卸市場価格は今四半期、前四半期の77ウォン/kWhから181ウォン/kWhに上昇)。韓国国内の電力料金はまだ上昇していませんが、英国では上限に達しており、家計の電力料金は年間でみると3倍に跳ね上がる見込みです。
ディーゼル、ガソリン、食品価格も上昇しているため、家計支出は平均で年間4,500ドル(約58万円)減少すると考えられ、南アジアとアフリカ諸国は所得に占めるエネルギーと食品の割合が高いので、影響がさらに大きくなると見ています。生活必需品の価格が上昇することから、消費支出は年後半から減少する見通しです。韓国では一般家庭の石油関連支出が今年は前年比で500ドル(約6万5,000円)増加する見込みで、原油が世界のGDPに占める割合は4-5%に達すると考えます(昨年は2%)。
世界的なマクロ経済の動向は依然不透明です。エネルギーと食品の価格上昇によって貧富の格差が拡大し、歳入の少ない国では債務不履行につながる可能性があります。当ファンドは、インフレ圧力、サプライチェーン危機、消費支出の減少といった状況を注視しながらポートフォリオを調整します。また、そうした問題の影響を受けにくく、インフレ圧力を顧客に転嫁できる企業を引き続きポートフォリオに組み入れてまいります。

スパークス・韓国株ファンド | SPARX Asset Management

 

■その他

日本のサービス価格は安すぎる― スパークス・日本株・ロング・ショート・ファンド(愛称:ベスト・アルファ)

少し目線を長期に向けた投資アイデアをご紹介します。それは「日本のサービス価格は安すぎる」ということです。ホテルの宿泊価格を筆頭に、世界的テーマパーク、スキーリゾートの利用料、レストランでの飲食価格など多くのサービス価格が世界的な価格水準に比べて驚くほど安い価格で提供されてきました。2019年ごろには外国人旅行者の増加と、為替水準の安定的な推移によって是正される動きが見られましたが、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大による渡航停止、巣ごもり環境の長期化によって日本国内のサービス価格は再びデフレ傾向に逆戻りしてしまいました。足元の海外諸国でのインフレ、為替の円安進行によって再び格差が拡大しています。具体的な事例をご紹介しましょう。日本の国民食ともいえるラーメンにおいては、当ファンド投資先企業が提供する東京での価格は1杯740円ですが、ニューヨークでは約2,200円と約3倍、また大手旅行サイトで確認できる世界的チェーン5つ星ホテルの1室1泊料金は東京約5万5000円、ニューヨーク約13万6000円と約2.5倍の大きな格差が確認できます。それぞれ厳密な比較は困難ですが、食品の安全、感染症リスク、都市の治安、交通網の整備状況、サービス意識の高さなど、日本のサービスの質の高さを考慮するとこれほどまでの格差があるとは思えません。長期間のデフレ経済が生んだ大いなる不均衡と考えられます。
それではこの不均衡は解消されるのでしょうか。
当ファンドではコロナ禍の終焉と世界的なインフレ圧力の二つが不均衡解消の推進力となると考えています。
コロナ禍の終焉によって起こることは次の二つと考えます。一つ目は人手不足の顕在化、二つ目は訪日外国人旅行者の増加です。一つ目に関しては、コロナ禍で飲食業や宿泊業など、多くのサービス産業での雇用減少により現在雇用環境は緩和しています。しかしコロナ禍の終焉による同産業での雇用復活から、日本の人口減少による人手不足が一気に顕在化することが予想されます。人件費水準は大きく上昇し、コスト要因からサービス価格が押し上げられるとみています。
二つ目の訪日外国人旅行者については実現するのが少し先になりそうですが、海外旅行が解禁された時には多くの外国人旅行者がお値打ち感ある日本のサービス価格に驚き、それを目当てにたくさんの旅行者が訪れることで、価格の是正が進むと考えます。
また、エネルギーや資源価格の上昇をはじめとした世界的なインフレ圧力が、日本国内でも値上げに対する国民のコンセンサスづくりに大きく貢献すると考えられます。日本はエネルギーや食料の大部分を輸入に頼っています。多くの製品がコストアップを理由に値上げされ、サービス価格の値上げに関しても、拒否反応なく受け入れられる環境が整うのではないかと考えています。
これらの要因でサービス価格が構造的かつ継続的に上昇することで、小売業、飲食業、宿泊業など利益率が低い産業の収益性が改善し、日本企業全体のROE(株主資本利益率)水準を改善させる原動力となるでしょう。
これらの経済環境から値上げできるかどうか、値上げを行う意思があるかどうかが最も重要なポイントと考えています。企業調査を通じてサービスや製品に競争力が高いかどうか、経営者に値上げに対する強い意志があるかどうかを判断し、値上げによって長期的に収益性を改善させる企業をロング投資、値上げできず収益が圧迫されていくと考えられる企業にショート投資を行います。

スパークス・日本株・ロング・ショート・ファンド | SPARX Asset Management

こちらのファンドも同じ内容を取り上げております。
スパークス・日本株・L&S↓
スパークス・日本株・L&S | SPARX Asset Management

 

投資先企業との対話(エンゲージメント)に対する考え方 ― スパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンド(愛称:対話の力)

上場企業のトップとして、投資家と十分にコミュニケーションを取ることは、重要な責務の一つであると当ファンドは考えます。投資家とのコミュニケーションに消極的な経営トップの経営する企業を信頼し、長期に投資したいと考える投資家は少ないと思います。何より疑問なのは、経営トップがIRに消極的な状況を、(少数)株主の代理人である独立社外取締役が実質的に容認していると思われることです。すべての日本企業のトップが、投資家とのコミュニケーションをIR担当部署任せにせず、自らIRに積極的に関わるようになれば、日本の株式市場全体の評価が底上げされる余地は大きいと当ファンドは考えます。MARUWAやパイロットコーポレーションのような、日本が世界に誇る優良企業が世界中の投資家とのコミュニケーションを活発化させれば、投資家が評価を見直すきっかけになり得ます。一方企業側にとっても、世界中の投資家の見方や考え方を知ることは、決してマイナスにはならないはずです。
投資先企業との対話は、キャッチボールと同じだと当ファンドは常々感じています。自分が一生懸命ボールを投げても、相手がボールを投げ返してくれなければ、キャッチボールは成立しません。投資先企業の経営陣や社員の皆さんに、こちらが投げたボールを返したいと思ってもらうためには、相互に信頼できる関係の構築が不可欠です。信頼関係は一朝一夕に生まれるものではなく、当ファンドも株主として、より深く企業を理解することに真摯に努めなければいけないと日々肝に銘じています。投資先からの信頼を得るために時間や手間をかけることは、一見遠回りで効率が悪く見えるかもしれません。しかし、投資先との対話を通じて建設的な議論を行うことで、永久に解消しなかったかもしれないバリュー・ギャップの解消が確実に進んだり、企業価値拡大のスピードが加速したり、あるいは万が一、企業価値が棄損しかねないような経営判断がなされる状況を未然に回避することができれば、やはり対話に手間をかける意義は大きいと当ファンドは考えています。当ファンドは引き続き、投資先企業との信頼関係の構築に努め、対話を通じて長期的な企業価値向上を後押しすることに積極的に取り組んでいく方針です。

スパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンド | SPARX Asset Management

 

オンラインマーケットプレイス(フリマアプリ)「メルカリ」 ― スパークス・新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)

株価が大きく下落しているのは残念ですが、一般的に高成長が見込まれるインターネット企業株は、ダウンサイドリスクを定量的にイメージしたうえで投資を行うことは非常に難しいものです。これは解散価値の目安といわれる純資産価値や、高い配当利回り、あるいは市場平均を大きく下回る株価収益率(PER)といった定量的に割安な指標を見出すことが期待にしくいためです。多くの場合、株価収益率(PER)や株価純資産倍率(PBR)でみると他業種企業に比べ割高にみえるため、どんなに本源的価値が現状の時価総額を上回っていたとしても、株式市場は一時的なネガティブ材料に敏感に反応し、株価変動が激しい傾向があります。
年初からの株価下落要因は世界的な金利上昇に対する警戒感から成長株が売られていることと、当月に発表された同社の2022年6月期第3四半期決算で流通取引総額(GMV)の伸びが市場の期待値をやや下回ったことがあると推測されます。しかし、一時的な成長鈍化はあったとしても、オンラインフリマのリーダーとしてまだ市場拡大期にある同事業が、平均を上回る成長を続けるのは難しくないことだと考えます。コロナ禍がようやく収束に向かう気配がみられるなか、人々の外出頻度が増えていることでメルカリのようなフリマアプリを使用する機会が短期的に減っている可能性があります。しかし、インフレによるモノの値段が上がるなか、割安な中古品が入手できるという理由で使用頻度が増すことは十分に考えられます。
同社経営陣が今後も成長投資のアクセルを踏み、「意志ある赤字」を続ける可能性が常にあることは既報のとおりです。しかし、ビジネスの本源的価値はあくまで「将来にわたって株主のために生み出されるであろうキャッシュフロー総和の現在価値」と定義されます。長年、Amazon社(米国)が短期収益を犠牲にし(*)、長期的利益を最大化させることで世界最大級の時価総額企業になったとおり、意志ある赤字を継続することにより競争優位性を強化し、本源的価値を成長させることができるのであれば当ファンドは経営陣の方針を支持する方針です。
(*)今では世界最大の時価総額企業の一社となったAmazon社(米国)がITバブル時の1999年高値からバブル崩壊後の2001年底値まで株価が10分の一以下(1999年12月10日株価106.7ドル、2001年9月28日同5.97ドル)になったものの、長期保有をした投資家が最終的に大きく報われた(2021年12月末株価3,334ドル)のは有名な話です

スパークス・新・国際優良日本株ファンド | SPARX Asset Management

 

筆記具メーカー「パイロットコーポレーション」 ― スパークス・少数精鋭・日本株ファンド

当ファンドでは2019年3月よりパイロットへ投資しています。投資開始当時のパイロットは業績の伸び悩みを嫌気され、株価が軟調に推移していました。パイロットの業績が伸び悩んだ背景は、西欧諸国での消えるボールペン「フリクションシリーズ」人気の一巡があります。しかし当ファンドでは、中期的な投資視点を持てばフリクションシリーズのみならず、パイロットの水性インキの技術(発色がよく、滑らかな書き心地)を中心とした筆記具は、西欧に加え、東欧、中国を中心としたアジア、更に米国での販売拡大の可能性が高いと判断しました。
投資開始後は新型コロナウイルスの感染拡大で世界的にロックダウンが続き、同社の販売も低迷しました。このような中、株価に最も大きなインパクトを与えたのは、教育現場におけるデジタル化に対する懸念です。デジタル化が進むことによって、人々はインキが出るペンを使わなくなるのではとの懸念が広がりました。当ファンドが忍耐強く同社株を保有してきた背景には、デジタル化による一部ユーザーの消費量の減少よりも、新規に拡大していくエリアの方が大きいと判断できたこと、そして、フリクションやJuiceといった同社のオンリーワン商品は、仮にデジタル化した世界でも、筆記具市場でシェアを上げていくことができると判断しているためです。
現在の同社の業績は、当ファンドの投資仮説に沿って拡大しています。デジタル化の中でもペンによる手書きは残り、その際にはよりよいペンを求める消費者が増えている模様です。当ファンドの考える同社へのリスクは二つです。一つは国内の人口動態です。少子高齢化は、同社のビジネスをより厳しくさせます。やはり海外での更なる拡大は不可欠です。もう一つは中国でのライバルです。晨光文具社(中国)は、M&Gブランドで急速に成長しています。当ファンドではM&Gは品質でまだ劣ると判断しているものの、楽観はできません。注意深く世界の筆記具業界をフォローしていきたいと思います。

スパークス・少数精鋭・日本株ファンド | SPARX Asset Management

 

インドの民間系銀行「HDFC Bank」 ― スパークス・新・国際優良アジア株ファンド(愛称:アジア厳選投資)

インドにおいて住宅ローンがGDPに占める割合は未だ低く、今後も長きにわたる成長が確実視されている業界と考えます。さらにインドではHDFC Bankのような民間系銀行が、国有系銀行から貸出シェア・預金シェアともにじわじわとシェアを奪う傾向が続いています。これは、国有系銀行は非効率な経営や、国策によって信用度の低い貸付先が多いのに対し、民間系の上場銀行は株主利益を重視した経営が徹底されているケースが多いためと考えます。
当ファンドがアジアの銀行業界に注目するのには、もうひとつ理由があります。それは同業界が万国共通の産業であるため、欧米や日本などの銀行を分析する際のアプローチをそのまま応用できるということです。国ごとに金融行政は少しずつ異なりますが、「預金を集めて、貸出で利益をあげる」という基本的な構造は、アジアの銀行も、欧米、日本の銀行もあまり変わりません。そのため、世界共通の尺度を使ってアジアの銀行を分析することはそれほど難しくないと考えます。優秀な銀行を見極めるための分析の視点を単純に捉えると、1)低コストで安定した預金を幅広く集める力があるか、2)リスク分散がされ、かつリスクに見合った適正な金利収入を生み出す貸出債権ポートフォリオを構築できているか、3)会社全体のコストを低く抑えられているか、に分解できます。
銀行業は、新規参入者にとっては参入障壁が高いビジネスですが、商品の差別化が難しいことから、既存プレーヤーの間では過当競争に陥りがちです。従って、将来を予測するうえで、上記の3つの分析視点を通じ過去の実績を検証していくことが有用と考えます。例えば貸出の面では、好景気時でも保守的な融資基準が求められます。銀行業は自己資本に対して何倍もの貸出資産を積み上げ、そこから得られる利鞘を収益源とするので、外部環境が悪化すると急激な収益低下に見舞われるためです。米国では2000年代前半に過度なリスクをとりすぎたLehman Brothers社(米国)やBear Stearns社(米国)が2008年の世界金融危機で倒産した一方、堅実経営が根付いていたJ.P.Morgan社(米国)やU.S. Bancorp社(米国)などが生き残り、より一層強い銀行へと成長しました。かといって、貸出姿勢が保守的すぎてもいけません。安易な貸出シェア獲得の誘惑に負けないのも大切ですが、融資先の信用リスクに応じた金利を適用することで、着実に収益を拡大させることが重要と考えます。

スパークス・新・国際優良アジア株ファンド | SPARX Asset Management

 


以上、2022年4月の月次レポートをまとめてみました。どれも盛りだくさんの内容となっておりますので、是非リンクの各投資信託のページへ飛んでいただき、全文をご覧ください!

 

※こちらは2022年4月末の月次レポートをもとに再編集しております。内容はチームメンバーの見解を元に書いているため、スパークス全体の見解とは異なることがありますのでご了承ください。また、記事にある企業名等の内容は参考情報であり、特定の有価証券等の取引を勧誘してはいない点もご理解いただけますよう、お願いいたします。

 

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スパークス・アセット・マネジメント
独立系投資会社スパークス・アセット・マネジメントの公式noteです。 「もっといい投資をしよう!」を合言葉に、投資への思いを語る場にしたいと思います。